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「グルジア紛争はロシアの失地回復作戦」 (1/2ページ)
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【パリ=山口昌子】グルジア紛争でロシアのメドベージェフ大統領は「冷戦を恐れず」と対米欧への対決姿勢を見せつけた。フランス戦略分析研究所のフランソワ・ジェレ所長は産経新聞との会見で、ロシアは紛争を好機としてソ連崩壊以来の「失地回復」を狙っているとの見方を示した。発言の要旨は次のとおり。
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グルジアは非常にまずい行動を取った。ロシアの反撃を過小評価し米国の支援を過大評価したからだ。ブッシュ米政権が2期目の初期であったら多少、米国の反応は違ったかもしれないが、現在の米国にとってグルジア紛争はしょせん、ロシアの内政問題だ。次期米政権にとっての最優先事項は国内の経済再建であり、外交面ではイラク、イラン、イスラエルの中東問題とアフガニスタンだ。
ロシアにとってグルジア紛争は、ソ連崩壊から2004年に旧ワルシャワ条約機構加盟国のポーランドなど10カ国が欧州連合(EU)に加盟するまでに失った影響力を回復する好機となった。ロシアにとっては、これらの国のEU加盟や北大西洋条約機構(NATO)加盟は我慢の限界であり、グルジア、ウクライナのNATO加盟は許すわけにはいかなかった。ロシアは今後、グルジアでの親ロシア政権樹立を画策するはずだ。