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ミニノートPC、メーカー温度差…外資元気、日本慎重

人気の火つけ役は台湾・アース社

 不振の国内パソコン市場のなかで一大ブームになっているのが、5万円前後の低価格がウリのミニノートパソコンだ。台湾メーカーが火をつけ、パソコン世界最大手の米ヒューレット・パッカード(HP)も参入するなど、外資系メーカーが積極攻勢をかけている。対する日本メーカーは様子見を決め込んだままとなっている。なぜなのか−。

 好調なミニノートの代表格が台湾メーカー、アスースの「Eee PC(イー・ピーシー)」。日本で今年1月、4万9800円で発売したところ、3日間で1万台が売り切れた。

 量販店が通信会社との契約を条件に100円で入手できるキャンペーンを行ったことでも話題になった。7月に発売した5万9800円の上位機種も好調で、調査会社BCNのノートパソコン実売ランキング(8月17日〜23日)では、ベスト10の8位(黒色)と9位(白色)に入った。

 アスース・ジャパンのマーケティングコーディネーター、陳巧玲さんはミニノートについて「利幅は大きくないが、新しい市場をつくる」とみており、「シリーズ全体で国内月5万台の販売を目指す」と強気だ。

 アスースがネット利用に特化しているのに対し、HPが6月に発売した「HPミニ」は「メーンのパソコンとして使えるフル機能」(日本HPモバイル&コンシューマビジネス本部の菊地友仁氏)が自慢だ。

 価格は普及機種で5万9850円。10万円台から20万円以上する従来のノートパソコンと比べてはるかに安い。菊地氏は「売れ行きは想定以上。出荷してもすぐなくなる」とうれしい悲鳴を上げる。

 中国・レノボや台湾・エイサーも参入を決定し、米デルも参入の意向を示すなど活況を呈しているが、日本メーカーの動きは鈍い。

 比較的積極的なのが富士通で、今秋にも香港や中国などアジア市場でミニノートを投入する予定。日本市場については「サポートやソフトの充実を求める人が多く、安いというだけでミニノートを買うと(物足りなさに)驚いてしまうかもしれない」(広報IR室)と慎重だ。

 NECは「新たな市場活性化につながるのではないか」(コーポレートコミュニケーション部)としつつも、参入については「検討中の段階」。ソニーは「検討しているが、確定しているものはない」(広報センター)。ノートパソコンの老舗、東芝は「検討に入っているのは事実だが、時期など具体的なことは決まっていない」(広報室)。

 日本メーカーの及び腰について、外資系メーカー関係者はこう解説する。

 「20万円以上する高機能のノートパソコンは利幅が大きく、日本メーカーのドル箱。そこに低価格のミニノートを投入すれば食い合いは避けられない」

 ある日本メーカーの関係者は「ミニノートの低価格にノートパソコンが引っ張られて値下がりすることが目に見えている場合は、参入しないという選択肢もある」と明かす。

 米調査会社ガートナーによると、ミニノートの世界出荷台数は2009年に08年見込みより54%増えて800万台に達する見通し。この伸び率はパソコン市場全体の4倍だ。

 先の外資メーカー関係者は「手をこまねいていても市場を奪われるだけ」と指摘する。日本メーカーは大きな決断を迫られそうだ。

ZAKZAK 2008/08/29

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