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【外信コラム】ソウルからヨボセヨ 韓国版“宗教戦争”

2008.8.30 03:16

 ソウル近郊に夜、出かけると、赤いネオンの十字架が無数に見えて「韓国には何と教会が多いことか!」と驚かされる。田舎でも大きな建物はほとんど教会だ(韓国ではカトリックについては聖堂というが)。

 教会が多いということは信徒が多いということだ。プロテスタントとカトリックの新旧教合わせると信徒数は1400万人(政府統計)に上る。韓国はアジアで有数のキリスト教国なのだ。みんなよく教会に通うし、何かというとすぐ牧師や神父が出てくる。

 最近も米国産牛肉反対で神父たちが反政府デモをやっていた。韓国のキリスト教はかなり政治的で、政治的争点でよくデモとか声明発表をやる。反政府活動家たちも当局に追われるとすぐ教会に逃げ込む。キリスト教の政治的影響力が強いため、当局も教会には手が出せないからだ。

 ところが最近、反政府デモで手配された活動家らがソウル中心街のお寺に逃げ込んだ。キリスト教に比べ存在感が弱かった仏教界はこの際、自らの存在誇示(?)もあって彼らをかくまい、警察は手が出せない状況が続いている。実は韓国では仏教徒も1000万人以上と結構強いのだ。

 その仏教界が「李明博政権はキリスト教偏重で仏教を差別している」と先ごろソウル都心で大集会とデモをやった。大統領以下、権力の中枢や周辺に熱心なキリスト教徒がいて、政府がキリスト教ばかり優遇していると不満なのだ。韓国版・宗教戦争である。(黒田勝弘)

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