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【愛知】

新城に夜間診療所 市民病院隣に10月3日開設

2008年8月30日

10月3日のオープンに向け工事が進む市夜間診療所=新城市北畑で

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 新城市民病院隣に10月3日、念願の夜間診療所ができる。当番の日に従事する「登録医師」は豊橋市や豊川市など、市外の医師が4分の3を占める。昨年内の開設を目指したが市内では医師が不足。場所探しも難航した。

 市外の医師が夜間診療を担うのは珍しく、「医師としての使命感に感謝したい」と市へき地医療支援室。当面は月、火、金、土曜日だけだが、体制を整え毎日診療を目指す。

 薬局だった建物を改修し午後8−11時、内科と小児科の診療を行う。新城医師会の4人と豊橋市医師会の5人、豊川宝飯医師会の7人が登録。診療日には医師と看護師、事務員1人ずつで対応。運営費は補正を含め本年度3500万円。

 県が定める医療圏は新城は北設楽郡とともに「東三河北部」。豊橋や豊川は「同南部」だが、救急車搬送実績は3年前と昨年を比べると「北部」内の医療機関へは半減する一方「南部」へは4倍に。「北部」内での1次救急医療体制の保持が急務とされていた。

 新城市の平日時間外は、市民病院が医師不足のため2年前から外科系のみに。内科系は市内31医療機関が輪番で支えてきた。だが「合併で広域になり、毎日変わると分かりにくい」「旧新城市から旧鳳来町に行くなら豊川市の方が早い」など苦情があった。

 市は市民病院に夜間診療の「定点」を作ろうと昨年9月、条例を作り6200万円を計上。年内開設に向け県内4大学の医学部、浜松市の浜松医大などと協議を始めた。だが、医師確保が厳しいだけでなくスペースも足りないと判明。市は条例を改正し、再検討を重ねていた。

 穂積亮次市長は「近隣自治体の医師会のおかげで開設にこぎ着けた」と感謝している。 

 (阿部雅之)

 

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