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【主張】新党結成 ねじれ克服の契機とせよ

2008.8.30 03:12
このニュースのトピックス主張

 渡辺秀央元郵政相ら2人の参院議員が民主党を離脱し、無所属議員2人とともに新党「改革クラブ」を結成した。国会のねじれ現象で国政の混乱や停滞が続き、事態打開が模索されている中で誕生した政党だ。

 結党早々、1人が参加を取りやめるなど、その行方には不透明さも漂う。新党が与党に同調した場合でも、ねじれ現象が直ちに解消するわけではない。

 しかし、国益や政策本位の政治の実現には、理念や政策が一致する政党や政治家が結集する政界再編が必要不可欠だ。その問題を提起する動きといえよう。

 新党結成は民主党の小沢一郎代表が代表選出馬を表明するタイミングをとらえたもので、背景には政局最優先の党運営に対する反発があったという。

 改革クラブには、民主党の渡辺氏と大江康弘氏、無所属の荒井広幸氏、松下新平氏が参加した。民主党の姫井由美子氏は離党を撤回し、新党参加も見送った。

 渡辺、大江両氏は通常国会で、日銀総裁人事などをめぐる党の国会対応に異論を唱え、本会議採決に際して造反を繰り返した。

 新党結成に至る過程では、自民党会派に所属していた荒井氏や自民党幹部から離党の働きかけがあったという。国政停滞の事態を受け、与党も民主党内の批判勢力と連携を図っていた。

 民主党執行部は渡辺氏らの行動を支持者への背信行為だと批判し、党としてダメージはないと強調している。しかし、参院の主導権をめぐる数合わせの論理だけでとらえるべきではない。

 日銀人事やインド洋での給油支援のための新テロ対策特別措置法をめぐる民主党の対応は、福田内閣を窮地に追い込むことを優先させる小沢代表の戦略に貫かれていたといえる。

 また、政策論争の好機だった代表選が小沢氏の無投票3選で決着する情勢となり、党内の閉塞(へいそく)感が強まる状況にあった。渡辺氏は「民主党の国会対応が変わらないなら、それを見過ごすことはできない」と結党会見で述べた。

 政府・与党側は昨年の参院選大敗後、一院を野党に押さえられた認識が甘く、政党間協議などの働きかけが不十分だった。新党結成で与野党の勢力差が縮まり、政策をめぐる各党間の協議が活発化することも予想される。政策本位の国会への転機につなげたい。

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