2008年8月30日(土)
行政・政治 : 昭和伊南病院の改革検討委 複合型病院に転換も
更新:2008-8-30 6:00

 伊南行政組合は29日に開いた同組合議会全員協議会で、経営コンサルタント業者がまとめている昭和伊南総合病院(駒ケ根市)の経営分析と改革検討案の中間報告を行った。報告では同病院を取り巻く外部環境や経営状況を把握し、一部療養病床などの機能を持った複合型病院への転換など、今後の同病院の方向性を提案している。

 分析は、総務省が公立病院に求めている「改革プラン」の策定に向けた検討資料にするため、経営コンサルに委託して進めている。

 報告では、外部環境分析として、高齢化による循環器系、外科系などの疾患需要の今後の高まりが予想されることや、地域での自治体病院の役割分担の明確化と連携の必要性、医師不足による赤字幅増大といった医療崩壊問題に直面していることなどを指摘した。

 外部環境から同病院が目指す方向として、医師不足の解消やコスト構造の抜本的改善などを前提に、疾患増が予想される循環器系、外科系の高度医療への特化、または空きベッドを活用した療養型への参入を提示した。

 機能や財務などの同病院の現状として、黒字病院に比べて医師1人当たりの外来患者数に対する入院患者数が少ないことや、経費比率の高さなどを分析。今後の方向性について、現在の病床数を生かすには一般病床のほか、急性期と回復・退院との中間的に位置する亜急性期や一部療養病床などの機能を持った複合型病院への転換か、一般病床のみでの存続を図るには病床数の削減と大幅な経費の見直しが必要と結論している。

 同病院は全協で、「今後の分析で、具体的な方向や基盤強化策などが示される」と説明。杉本幸治組合長は「現状を端的に示してもらったと思う」と話した。

 伊南行政組合は29日に開いた同組合議会定例会に、昭和伊南総合病院の2007年度事業決算を提出した。報告だと、急激に進んだ医師不足による患者数の減少などが影響し、収益的収支の純損失は前年度より2億7462万3000円増の7億4294万7000円となり、単年度として過去最悪の赤字を計上した。

 同病院の常勤医師数は、07年度当初の30人から、年度途中の整形外科医4人の退職、年度末の産婦人科医2人、小児科医1人の退職などで現在23人と激減している。07年度の患者数は、入院が延べ7万8246人で前年度に比べ1万5393人、16.4%の減。外来が延べ12万6090人で同2万8312人、18.3%減少した。

 総収益は48億2187万千円(前年度比11.6%減)で、これに対する総費用は55億6481万8000円(同6.1%減)。累積赤字は12億1127万千円に拡大した。

 杉本幸治組合長は「非常に厳しい結果になった。 経営改善が緊急の課題。一丸となって取り組みたい」と話した。

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