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2008年8月30日

 脱北者を装って亡命した女スパイが、韓国で逮捕された。軍事機密を流し、要人暗殺も計画していた、と報じられた

飛び切りの美人で、日本にも入国していたというから、もっと詳しく知りたいが、事が事だけに、秘密のベールは容易にははがされまい。海の向こうの国の怖さ、厄介さをあらためて思う

外交官の言う「イエス」は、「かもしれぬ」という半ば肯定の意味でしかない、という格言を聞いたことがある。「かもしれぬ」を意味する「メイビー」は「ノー」を指し、簡単に「ノー」と言う外交官は失格、とも。押したり引いたりの駆け引きが生む「用法」だろうが、北朝鮮にはおよそ通じない

拉致問題再調査の「イエス」は、まるで進む気配がない。国の命運がかかる核無能力化では、「ノー」と脅す。外交の舞台に出る資格を疑わせる国だが、スパイには血道を上げる

正体がバレたのだから、女スパイは美ぼうに比べ腕の方は劣っていたのだろう。日本での工作は不首尾に終わったとされるが、これは額面通り受け取っていいものか。外交もスパイ対策も、もどかしさが先立つわが国である。


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