2008-08-29

BLを読まないなんて人生を損している!

この前、「BL世界はすごく良く出来ている」というテーマで友人と討論になったんですが、


・数百人の作家切磋琢磨=質の向上

・読切や短期連載中心=質の向上、購入しやすい

・毎月漫画50冊+小説80冊出る=作家が生活出来る

雑誌もたくさん出る=作家が生活出来る

作家さんは1、2年先まで予定が組まれる=作家が生活出来る

・購入層の財布の紐がゆるい=作家が生活出来る

・購入層の心が広い=多少問題のある作家も生活出来る、トンデモ展開?面白くない?絵が汚い?古い?なんでもいいよ萌えられれば。


という非常に安定した輪の中で完結しているのですね。

でもそれにも問題があって、


・力量のある作家さんがBLファンのみの中で消費される=人気の頭打ち

・男同士の恋愛を主軸にするため話のワンパターン化=人気の頭打ち

・購入者の心が広いのでアレな内容でもそれなりに売れる=質の低下


といった面もあります。

中でも特に私が思うのは、この人は天才作家だと思う人がきちんと評価されてない感です。もちろん男同士の恋愛という時点で、ものすごく読者が限定されるのは分かっているつもりですが、24年組少年愛作品を平気で読んでおいて、BLレーベルだからという理由で名作が読まれないのはなんでなの。腐女子の中ですらBL読まない人の方が多いし。お前ら男同士が大好きなんだろ!読めよ!

リブレ出版とか言う聞いたこともない出版社名なのがいけないのですか。それなら白泉社花丸文庫とか読めばいいじゃない(花丸の質はあまり保証できないけど)。集英社コバルト文庫のゆるいBLとか講談社ホワイトハートの長いBL読めばいいじゃない。角川書店だって徳間書店だって芳文社だって竹書房だって新書館だって頑張ってますよ。あ、初めて触れる人には新書館オススメする。

BLはひっそりこっそりやればいいと思っている人もいるだろうし、私もあまり大々的に喧伝することは良くはないとは思うけど、よしながふみオノ・ナツメを挙げるまでもなく、数百人も作家がいたらいつ天才作家が現れてもおかしくないんだよ。そんな作家さんをBL好きの間だけで独り占めしていていいのかなぁと思うんだ。

まさにこれ。

http://anond.hatelabo.jp/20080513132239

木原音瀬のような類まれな才能作家性を併せ持った作家を、私たちは天井のある籠の中で飼い殺している。そのことに対して罪悪感を持つ程に、私は彼女の作品を愛している。

そんな思考回路だから、「○○を読まないなんて人生を損している!」なんてことを臆面もなく言っちゃうわけですよ。山田ユギ京山あつきを読まないなんて人生を損しているよね!ねぇ頼むよ、せめて腐女子の人。BL読もうぜ。

トラックバック - http://anond.hatelabo.jp/20080829134444
  • 木原音瀬という小説家について話をしようか

    きはらおとせではない。このはらなりせと読む。彼女はボーイズラブ作家である。男同士の恋愛を主軸にした物語を精力的に書いている。 いや、ここで引く前にちょっと聞いてほしい。...

    • BLを読まないなんて人生を損している!

      この前、「BLの世界はすごく良く出来ている」というテーマで友人と討論になったんですが、 ・数百人の作家が切磋琢磨=質の向上 ・読切や短期連載中心=質の向上、購入しやすい ・...

      • http://anond.hatelabo.jp/20080829134444

        ポーターの古典的な経営学で分析するといいかもね。 ポイント的には参入障壁の高さと、買い手と売り手の力関係あたりかなと直感的には思う。 ゲイ漫画は読んだことないし、俺は男だ...

      • http://anond.hatelabo.jp/20080829134444

        ググったら山田ユギや京山あつきなんてたくさん出てるじゃん。どれから読んだらいいのか教えてよ。

        • http://anond.hatelabo.jp/20080829145504

          元増田じゃないけど。 貴方が腐女子なら 山田ユギ「最後のドアを閉めろ!」「開いてるドアから失礼しますよ」 京山あつき「聞こえない声」「見えない星」 腐女子でないなら 山田ユ...

      • http://anond.hatelabo.jp/20080829134444

        ひょっとしたらネタなのでマジレスしちゃいけないのかもしれないけど ・数百人の作家が切磋琢磨=質の向上 BLではない一般漫画・小説の世界は数百人どころではない数の作家が切磋...

      • おっさんの俺もそう思うよ。

        BLを読まないなんて人生を損している!■BLを読まないなんて人生を損している!この前、「BLの世界はすごく良く出来ている」というテーマで友人と討論になったんですが俺のお勧めする...

    • http://anond.hatelabo.jp/20080513132239

      まず名前が難読なのが損してると思うですよ。 「き」のところ探してなければ、ないんだなってやめちゃう。 私はBL本手当たりしだい買いしていてたまたまめぐりあったけれども。 木...

    • http://anond.hatelabo.jp/20080513132239

      元増田じゃないけど。 しょっぱなは「箱の中」「檻の外」をお薦めする。 痴漢冤罪で収監された男 「箱の中」asin:4883862925 「檻の外」asin:4883862984 HIV感染者の男 「リベット」asin:4883863...

      • http://anond.hatelabo.jp/20080513154157

        元増田の推薦が琴線に触れたので、「檻の中」買ってきた。今夜読むぜ。

        • http://anond.hatelabo.jp/20080513171711

          横増田だけど、増田は男性かな? 正直な感想を聞いてみたいので、もしよければ教えてね。

          • http://anond.hatelabo.jp/20080513202244

            「箱の中」買った増田です。読了したので感想など。 ちなみに自分は30代男。BL小説ははじめて。 漫画ならよしながふみや中村明日美子あたりは読んでる。 表題作 後半の展開はホラー...

            • http://anond.hatelabo.jp/20080514050132

              わー、感想聞きたがった増田です。わざわざありがとう! 表題作が微妙にホラーだなというのは私も同意で、男性なら余計にホラーかもしれない。 「檻の外」を読むのを迷っていると...

              • http://anond.hatelabo.jp/20080514201248

                木原音瀬読んでる増田です。 「檻の外」けっきょく買って読みました。これ2冊併せて読んだほうがいいわ、間違いなく。 檻の外 最初はまたホラー来た!と思ったけど、そんな単純じゃ...

                • http://anond.hatelabo.jp/20080516052520

                  感想聞きたがった上に檻をすすめた増田です。「檻の外」の感想までありがとう。うれしいです。 「16になったら…」とか花冠とか、やっぱりグっとくるところは変わらないんだなあ。 ...

      • http://anond.hatelabo.jp/20080513154157

        初期作品の「LOOP」と「恋愛時間」なんかも読みやすくて入りやすいんじゃないかなと思うがどうだろう? 文庫だし。 「LOOP」asin:4775502204 「恋愛時間」asin:4872788850 注:2作品...

    • http://anond.hatelabo.jp/20080513132239

      この人の作品は痛いものが多いので迂闊に薦められないような気がしたり気がしたり。かるい気持ちで手に取ると火傷するぜ!みたいな。大好きですが、評判を聞いて欝になりそうなもの...

    • http://anond.hatelabo.jp/20080513132239

      男が書くBLとかってあるの? そしてあるなら評判ってどんなかんじ?

      • http://anond.hatelabo.jp/20080513171613

        昔、津原泰水が津原やすみ名義で書いていたことは知っている。 ただし本文も評価も読んだことはないのでこれ以上のことは言えない。 「月の庭園」 >http://www.bk1.jp/product/00941131 >http...

    • http://anond.hatelabo.jp/20080513132239

      ファンとして、おおむね同じような気持ちなんだけど、私の場合は広く一般の皆さんに読んでいただきたい…と思っているわけではなくて、とにかく絶版が早いのをどうにかしてほしい。...

    • 箱の中/木原音瀬

      箱の中 (Holly Novels)(2006/03/23)木原 音瀬商品詳細を見る評価★★★☆☆あらすじ堂野崇文は痴漢と間違われて逮捕されるが、冤罪を訴え最高裁まで��...