「加齢黄斑変性 画期的な最新治療」
加齢黄斑変性を治療する、ここ数年で広まった最新の画期的な方法が「光線力学療法」です。この治療の最大の特徴は、黄斑にレーザー光線を当てる前に、点滴で薬を投与することです。
黄斑には、ものを見るための細胞が特に集中しています。これらの細胞が死んでしまうと失明につながってしまうため、ごくごく弱いレーザーしか当てることができません。
しかし、新生血管だけに結びつく薬を前もって投与しておくと、ごくごく弱いレーザーであっても、新生血管だけをつぶすことができるのです。
「糖尿病網膜症のレーザー治療」と「加齢黄斑変性のレーザー治療」の違い
糖尿病の「レーザー光凝固」は、出血を起こしている付近の網膜の細胞を焼くのが目的です。従って、比較的強いレーザーが必要となります。
一方、加齢黄斑変性の「光線力学療法」は、黄斑の視細胞を生かしつつ新生血管だけを潰すのが目的です。従って、ごく弱いレーザーしか使えず、そのためにレーザーの効果を最大限に高める薬の投与が不可欠となります。
なお、両者とも健康保険が使えます。
また、黄斑の形を見分けるために行う「OCT検査」も、今年の4月に保険適用になりました。
加齢黄斑変性になりやすい人は?
日本での疫学調査の結果、次の2つが加齢黄斑変性の危険因子になることが分かっています。
喫煙によって発生する活性酸素が新生血管を作る要因であることが、最近の研究で分かってきています。
※海外の研究によると、疑われている危険因子はほかにもあります。
自分が加齢黄斑変性の前段階であるかどうか調べられる?
健康診断で行われている眼底検査で調べられます。その場合、両目を診てもらうことが大切です。
※健康診断の種類によっては、眼底検査が含まれていないことがあります。確認したい場合は、健康診断を行う自治体や会社に問い合わせてください。
|