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外貨準備高が急減、為替安定に不安感(下)

◆米金融危機が不安要因に

 韓国政府は外貨準備高が懸念すべき状況にはないと強調している。姜万洙(カン・マンス)企画財政部長官は6月23日の国会答弁で「外貨準備高の適正水準がいくらであるかについては統一見解がないが、2100億ドル(約22兆9100億円)を超えていれば適正だという見方が多くある」と述べた。

 国際通貨基金(IMF)の基準などに基づき、外貨準備高が不足しない状況を想定した数字だという。流動対外債務の水準から見て、政府が為替安定に注ぎ込める資金(外貨準備高から流動対外債務を差し引いた額)は200億ドル(約2兆1800億円)にすぎない。

 韓国投資証券のチョン・ミンギュ研究員は「7月以降、当局が外貨準備を切り崩し為替安定を図ったため、対外債務に占める流動対外債務の割合は90%に迫っている。既に危険水準に到達しており、為替安定か外貨準備高確保かという二者択一が必要だ」と指摘した。

 米国の金融危機が落ち着きを取り戻さないことも大きな不安要因だ。米国の住宅景気低迷とそれに伴う金融不安は回復の兆しを見せていない。その上、メリルリンチ、リーマン・ブラザーズなどウォール街の金融機関は住宅景気低迷で不良債権が増え、全世界から資金を引き揚げている。万一の際に使える豊富な外貨準備がない状況で外国資本が一気に還流すれば、韓国の外貨準備高は流動性危機に直面する可能性がある。

 現代経済研究院のパク・ドクベ研究員は「今後経済難が深刻化すれば、外国人資本の流出が起き、韓国資本も国内よりも海外投資を増やすことになる。急にドル需要が増えれば為替市場が混乱に陥る可能性がある」と懸念を表明した。

金起勲(キム・ギフン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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