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外貨準備高が急減、為替安定に不安感(上)

経常赤字と政府の為替市場介入で韓国の外貨準備高が急速に減少している。ドル資金不足でウォン安が進む中、ソウル市の外換銀行本店の金融機関営業部で行員がドルの札束を整理している。/写真=ホ・ヨンハン記者
 対外債務が膨らみ続け、韓国が債務国に転落する一方、対外債務償還の防衛ラインである外貨準備高が減り続けている。

 韓国が確保している外貨準備高は7月末現在で2475億ドル(約27兆円)で、政府は世界的に見ても適正水準を超えており問題がないと説明している。

 しかし、専門家は最近の国内外金融市場の条件を見た場合、現在の外貨準備高が決して安心できる水準ではないと警告する。政府の外国為替市場に対するドル売り介入の後遺症により外貨準備高が大きく減少した状況で米金融機関の流動性不足が深刻化し、外国資本が韓国から一気に流出する危機を迎える可能性もあるためだ。

◆減り続ける外貨準備高

 韓国政府や金融機関、企業が外国の政府、金融機関、企業などに返さなければならない対外債務は6月末現在で4197億6000万ドル(約45兆8000億円)。これに対し、外国為替市場が注目しているのは1年以内に償還しなければならない流動対外債務(短期対外債務と償還時期まで1年以内の長期対外債務の合計)だ。流動対外債務は6月末現在で2223億2000万ドル(約24兆2600億円)に達し、3月末よりも61億9000万ドル(約6754億円)増えた。対外債務に占める流動対外債務の比率も昨年末の75.8%から6月末には86.1%に上昇した。当面返さなければならない借金による圧力が大きくなっている計算だ。

 対外債務が増加しているのに対し、政府が万一の際に対外債務償還に当てるための「実弾」に当たる外貨準備高は年初来減少傾向だ。外貨準備高は3月末の2642億ドル(約28兆8300億円)をピークに6月末に2581億ドル(約28兆1600億円)、7月末に2475億ドル(約27兆円)へと減少。8月末も2400億ドル(約26兆1800億円)をやや上回る水準になるとみられる。

 外貨準備高減少の原因は経常赤字に加え、原油高で原油輸入代金の需要が増えているほか、政府がウォン高誘導による物価安定を目指し、ドルを売っているためだ。政府は先月、輸入物価を安定させるために外国為替市場に積極的に介入し、外貨準備高が1カ月で105億8000万ドル(約1兆1500億円)吹っ飛んだ。1カ月の減少幅としては過去最大だ。最近再びウォン安が加速すると、政府は再び外貨準備を切り崩して介入を始めた。

金起勲(キム・ギフン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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