徳島県内のニュース
ルート・目的 依然不明 米軍機、県内低空飛行1カ月 2008/08/29 10:04
低空飛行が目撃されたのは、七月十五、十六、二十二日。夕方から夜にかけて、三好市から吉野川市の一帯を超低空飛行し、板野町付近から香川県境方面に向かった。前後の時刻には、愛媛県や兵庫県でも飛行が目撃された。午後九時や同十時ごろにもう一度飛んだという情報もある。 広島県内の市民団体「米軍の低空飛行の即時中止を求める県北連絡会」の岡本幸信事務局次長によると、七月十六日には徳島から兵庫に抜けた後、鳥取県八頭町や広島県庄原市、東広島市でも同型機の目撃情報があり、「高速道路のほぼ横を飛んだ」などの声もある。岡本氏は「岩国基地(山口県岩国市)を出て愛媛、徳島、兵庫から鳥取、広島を回り、岩国に帰った」とみる。 ◆機 種 米軍が保有する軍用プロペラ機には、MC130のほか、C130輸送機やKC130空中給油機などがある。いずれも似た形だが、徳島新聞記者が撮影した写真から、複数の市民団体は「MC130に間違いない」とする。同型機の低空飛行の情報は国内初という。 米軍基地を監視しているリムピース(本部・東京)によると、MC130は沖縄県・嘉手納基地に配備されているが、当時は岩国基地で離発着していた。ただ、七月三十日に岩国基地で車輪がパンクしたのが目撃され、八月には岩国基地から姿を消している。 ◆今 後 岡本氏によると、米軍プロペラ機の低空飛行は鹿児島県で二〇〇六年七、八月に目撃されて以降、静岡県や広島県でも目撃されたが、今回の徳島県上空などでの飛行も含め「狙いはまだよく分からない」という。 これらは、艦載機などの訓練ルートとして十数年前に明らかになったオレンジ、ブラウンなど七本の訓練ルートとは異なる場所。また、鹿児島県などでは低空飛行は続いていない。このため岡本氏は「ルートは固定的に考えない方がいい。徳島で今後も飛ぶと断定できる情報はない」と話す。 リムピースの田村順玄岩国市議は「在日米軍再編に伴い、今後もわれわれが想定していないような訓練が岩国を拠点に行われる可能性が高い」と指摘している。 【写真説明】吉野川市上空を低空飛行する飛行機=7月22日午後6時28分、同市鴨島町
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