民主党の渡辺秀央、大江康弘両参院議員らが同党を離党し、無所属の参院議員を含め新党を結成することが28日、明らかになった。29日午後に記者会見して正式表明するが、党首には渡辺氏が就任する。党名は「改革クラブ」を軸に調整している。
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参加予定の民主党参院議員は28日、都内で記者団に対し「民主党は政局優先で国民のためになっていない。(新党結成で)参院の本来の役割を取り戻したい」と述べた。複数の関係者によると、新党には渡辺、大江両氏のほか、民主党の姫井由美子参院議員、無所属の荒井広幸、松下新平両参院議員の計5人が参加する見通しだ。
参加予定議員は「新党は(福田政権に対して)是々非々の立場で臨む」と強調しているが、新党は与党寄りの立場をとるものとみられる。
一方、民主党の参院幹部は同日、「いったん決めたことを転換させるのは無理だろう」と、渡辺氏らの離党意志は固いとの見方を示した。別の参院幹部は「きょう離党の通告があった。離党届と会派離脱届が出ても、9月21日の代表選後の新体制が決まるまでは扱いは決められないが、最終的には認めざるを得ないだろう。党内には(国会で造反してきた)彼らを追い出せという声が結構ある」と語り、新党の動きに反発した。
大江、渡辺両氏は、民主党の道路特定財源の暫定税率廃止方針に反対し、今年1月には暫定税率維持派の集会に自民党議員らとともに出席して民主党を批判した。また、政府が提出した新テロ対策特別措置法案の採決時(1月)に、民主党の党議拘束(反対)に従わずに棄権した。
さらに、渡辺、大江氏は今年4月、日銀副総裁人事案の採決でも、民主党の方針に反して、政府提案に賛成票を投じた。5月には、揮発油(ガソリン)税を今後10年間道路特定財源に含むことを定める道路整備特別措置法案でも、民主党が反対する中で政府案に賛成し、党員資格停止3カ月の処分を受けた。
このように重要法案・人事案件で、民主党の方針と異なる行動をとり続け、党内からは「自民党から働きかけがあるのではないか。離党予備軍だ」(民主党幹部)とみられていた。
新党結成で、参議院における野党過半数の情勢に変化はない。ただ、激しい攻防が予想される臨時国会の9月12日召集、小沢一郎民主党代表の3選による同21日の民主党新体制発足を前に、民主党は出ばなをくじかれる形だ。
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