諏訪中央病院(茅野市)は、経営や運営の改革プランをまとめた。現在84%にとどまっている病床利用率を87%台に引き上げることなどを数値目標に定めた。同病院組合の正副組合長や組合議会議員の意見を聞いた上で、9月中に成案をまとめる方針だ。
総務省は、多くの公立病院が経営状況の悪化や医師不足による診療体制の縮小など厳しい状況に置かれていることから、公立病院に改革の実施を要請。今年度中に数値目標などを盛り込んだ経営の「改革プラン」を策定するよう求めている。
これを受けて同病院は、同省の改革ガイドラインに基づき、院内の経営企画会議や幹部会で論議を重ね、向こう3年間の改革プラン案をまとめた。それによると、3年連続で赤字が続いている最大の要因として、専門診療科の医師不足による収益構造の悪化を挙げた。外来患者数が減少傾向にあるのも収益が伸びない要因としている。数値目標には、病床利用率のほか、経常収支比率100%などを設定した。
目標達成のために、収益の確保を最大の課題に挙げ、外来患者数の増加、ベッド管理の徹底による病床利用率の向上を図るとしている。
専門診療科の医師確保では研修医らの募集、採用を続けることで救急医療の初期対応向上を図るなどし、地域住民の医療ニーズに応えていきたいとする。昨年から始めた地域住民との懇談会を継続し、医療や病院の現状を広く情報公開して理解と協力を得ていくことも盛り込んだ。