検察側が控訴断念 大野病院事件

 福島県立大野病院(大熊町)で2004年、帝王切開中に子宮に癒着した胎盤の剥離(はくり)を続けた判断の誤りから女性患者=当時(29)=を失血死させたとして、業務上過失致死と医師法違反の罪に問われた産婦人科医加藤克彦被告(40)を無罪とした福島地裁判決について、福島地検は29日、控訴を断念する方針を明らかにした。控訴期限の9月3日を過ぎて無罪判決が確定する。

 20日の判決で鈴木信行裁判長は「胎盤剥離を中断して子宮摘出に移っていれば大量出血を回避できた」とする検察側主張を認めたが、剥離を続けた判断については「標準的な医療措置であり、直ちに剥離を中止する注意義務はなかった」と過失を否定。「検察側は主張の根拠となる臨床症例を示していない」と証拠不足も指摘し、医師法違反を含め無罪とした。
2008年08月29日金曜日

福島

社会



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