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「山を越える犯人に無防備だった」 中村医師、後悔の念

2008年8月29日1時28分

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 【カブール=高野弦】「無防備だった」。アフガニスタンの軍用ヘリコプターでカブールへ運ばれた伊藤和也さんのひつぎに付き添った中村医師は、28日夜の記者会見で、事件についてそう話した。

 「護衛をつけても、プロテクションにならない。警察官がねらわれ、かえって犯行に巻き込まれる可能性がある。私は(安全のために)数十人のグループの中にいることと、トランシーバーか携帯を持つことの2点を強調しておいた」

 しかし、結果的には守り切ることができなかった。「(安全な地域なので)安心していたが、山を越えて犯人がやってくることには無防備だった」とくやんだ。

 一昨年から活動に対して脅迫めいたものも続き、日本大使館からは極力用心するように言われていたという。「昨年が一番多かった。日本人を拉致する計画があるとの内容だった。荒唐無稽(こうとうむけい)な内容で、韓国人の拉致事件を模倣したいたずらだと考えていた」

 この日、遺体と顔を合わせたときは「責任者として(伊藤さんの)両親に申し訳ないという気持ちだった」。両親と連絡をとった際、父正之さんから「本人の堅い意思で出かけたことですから迷惑をかけてすみません」と言われ、「謝るのはこちらです」と答えたという。

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