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韓国、8月にも純債務国に転落

 対外債務が急増する一方で、海外に貸した対外債権が減少し、韓国は8月にも純債務国に転落する見通しだ。韓国は2000年6月から対外債権が対外債務を上回る純債権国だった。純債務国への転落は8年ぶり。

 韓国銀行は28日、国際投資ポジション(速報値)を発表し、6月末現在で対外債権から対外債務を差し引いた対外純債権は27億1000万ドルまで減少した。3月末(131億6000万ドル)に比べ3カ月で一気に104億5000万ドルも減少したことになる。6月末の国際投資ポジジョンが58億ドルのマイナスとなった2000年3月以来最も低い水準で、ほぼゼロに近い状態まで落ち込んだ。

 韓国政府の関係者は「このままで行けば、8月にも純債務国になるとみられる」と予測した。国際投資ポジションは四半期ごとに発表されている。

 国際投資ポジションは1997年末に680億8000万ドルのマイナスを記録して以降、経常黒字などで2000年にプラスに転じ、05年末には1207億ドルの対外純債権を保有するに至った。しかし、06年以降は海外からの借り入れが増加し、対外純債権は減少を続けている。純債務国に転落すれば、国家信用度が落ち、投資資金が流出するリスクが拡大する。

 しかし、韓銀の関係者は「外国人による韓国への投資は対外債務に含まれる債券が多いのに比べ、韓国人による海外投資は債権に含まれない株式投資や直接投資が多いため、統計上の対外純債権は減らざるを得ない。国家信用度が問題視される状況ではない」と強調した。

 企画財政部の関係者も「対外債務のうち、外資系銀行の韓国支店が海外の本店から借り入れた部分が900億ドルあり、造船会社など輸出企業が為替損失リスクを避ける目的で海外にあらかじめ売却した債権も含まれているため、実際の債務は統計上の数字より少ない」と分析した。

 対外債務のうち1年以内に償還期限が訪れる流動対外債務(償還期限1年以内の短期対外債務と償還期限まで1年以内の長期対外債務)は2223億ドルで、対外債務全体の86%を占めた。流動対外債務が増加すると、為替当局は通貨防衛に外貨準備を注ぎ込むため、財政的な負担が増大する。

 韓銀の関係者は「韓国の国内総生産(GDP)に占める対外債務の比率は米国、ドイツ、英国の平均の221.3%をはるかに下回る40%台前半だ。資金流出を心配する段階ではない」と述べた。

金起勲(キム・ギフン)記者

趙義俊(チョ・ウィジュン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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