28日午前0時15分ごろ、金沢市福久1のアパートに住むトラック運転手の女性(35)から「自宅で息子が彼氏を刺した」と110番通報があった。金沢東署員が駆け付けたところ、女性の内縁の夫でトラック運転手の上川忍さん(37)が胸や頭など数カ所を刺されて1階居間で倒れており、間もなく死亡した。室内で女性の長男の中学3年男子生徒(15)が包丁を持って立っており、刺したことを認めたため、同署員が殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。
長男は「母と彼氏の仲が悪く、よくけんかをしているのが嫌だった」と供述。殺人容疑に切り替えて詳しい動機を調べている。長男は中学校も休みがちだったという。
調べでは、長男は午前0時10分ごろ、1階居間で寝ていた上川さんを台所にあった文化包丁(刃渡り約16センチ)2本で刺した疑い。1本は居間に落ちており、手にしていた1本は同署員に「捨てなさい」と言われると素直に応じたという。
女性は2階で寝ていたが、物音で起きて気付き、2階の窓から外に出て携帯電話で通報した。
女性宅は3人暮らし。母子が昨年2月にこのアパートに転居してきた時から、上川さんが同居していた。女性は同署員に、「上川さんは普段から息子のしつけを気にしていた。27日夜も、しつけのことで私と口論になった」と話している。
【澤本麻里子、野上哲】
毎日新聞 2008年8月28日 5時40分(最終更新 8月28日 13時25分)