28日、アフガニスタン東部ジャララバードで、伊藤和也さんの遺体が納められた棺の前で遺品を受け取る「ペシャワール会」の中村哲現地代表(手前右)(共同) 現地代表が伊藤さんの遺体と対面 拉致犯はタリバン系組織【ジャララバード(アフガニスタン東部)28日共同】日本の非政府組織(NGO)「ペシャワール会」(福岡市)の伊藤和也さん(31)=静岡県出身=が武装グループに拉致され死亡した事件で、同会の中村哲現地代表が28日、アフガニスタン入りし、東部ジャララバードの病院で伊藤さんの遺体と対面した。遺体は首都カブールにある大学の医学部に搬送され、検視が行われた。中村氏によると、遺体には銃創が約10カ所あったという。 中村氏によると、遺体は29日朝カブールからアラブ首長国連邦(UAE)のドバイに搬送され、30日未明、ドバイから名古屋に出発する予定。山本一太外務副大臣も、遺体が29日にも日本に向けて出発することを明らかにした。 身柄を拘束された拉致犯の2人はこれまでの調べに、反政府武装勢力タリバンと協力関係にある「ヒズブ・イスラミ」のメンバーであると認めた。「最初から殺すつもりだった」と供述、逃走中の拉致犯の1人が伊藤さんの頭を石で殴ったとも話しているという。捜査当局はタリバンとの関係や犯行動機などを追及、逃走中の拉致犯3人の行方を追っている。 中村氏は遺体と対面した際、伊藤さんの顔をなでた後、自分の右手を額にあてて約10秒間敬礼した。対面後「とにかく申し訳ない。ご両親に申し訳ない」と述べ、悔しさをにじませた。
【共同通信】
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