熊本市は、来月3日開会の9月定例会に、市立熊本産院を来年3月末で廃止する条例改正案を提案する。市民病院に統合し、助産師外来を新設するほか、NICU(新生児集中治療室)を09年10月をめどに3床増やすことで、産院の妊産婦ケア技術の活用と高度医療の充実の両立を図る。
市の案では、産院職員は廃止後、市民病院や市内に5カ所ある保健福祉センターに転籍。センターで実施している母子訪問や相談・指導などの妊産婦支援にあたるほか、市民病院の助産師外来で産後ケアや母乳育児の推進も担う。また、満床状態が続くNICUを増やすことで、現在年20件以上ある母子の県外搬送の減少を図る。
幸山政史市長は「合併症や胎児異常への対応など、産科だけでは充実できないものもある。緊急時に対応できる高度医療が公的病院として重要」と述べた。【結城かほる】
毎日新聞 2008年8月28日 地方版