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女性スパイ:韓国人将校らの暗殺命令受ける(下)

 元容疑者は2006年9月から昨年5月にかけ計50回にわたって全国の軍部隊を回りながら、軍に関する講演を行い、「北朝鮮の核は自衛用」と発言するなど、北朝鮮の主張に対する同調を促し、これを称賛するCDも上映した。

 また、日本に行った脱北者を把握するよう命じられたことで、3度にわたって日本入りを果たしたほか、日本に入国するために3人の日本人男性と見合いもした。一昨年には、中国を経由して北朝鮮咸鏡北道穩城郡に行き、2度弟に会った。

◆元容疑者の養父の役目は?

 しかし、元容疑者は対北情報要員を殺害せよとの指令を遂行することができなかったため、自分が保衛部によって殺害されるのではないかと恐れ、家に四つも鍵を掛け、3年前からは神経安定剤まで服用するようになっていたという。

 合同捜査本部が注目しているもう一人の人物は、元容疑者の養父であるとともに上官でもあるキム某容疑者(63)=拘束=だ。平壌美術大学彫刻学科を卒業し、芸術分野のエリートとして知られるキム容疑者は、2006年にカンボジアを経由して入国した脱北者で、北朝鮮で保衛部の工作員教育を受けていたことが分かっている。

 キム容疑者の姉の娘が北朝鮮最高人民会議の金永南(キム・ヨンナム)常任委員長の息子と結婚していることなどから、一部では「大物」との見方もある。キム容疑者に対する容疑については同日公開されず、詳しい捜査結果は起訴する際に発表される見通しだ。

カン・フン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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