青森市東大野2のあおもり協立病院(横田祐介院長)で昨年11月、狭心症で心臓カテーテルの治療を受けた女性が、その後にくも膜下出血を発症して死亡していたことが27日、明らかになった。同病院を巡っては、7月に不整脈で入院した男性患者が、麻酔投与後に意識不明の重体となっており、県が立ち入り調査をし、病院側も事故調査委員会を設けて調査を進めている。
病院によると、死亡したのは県内に住む70代の女性で、心臓の血管を広げて血流を良くするため、細い管を入れるカテーテル治療を受けた。しかし心臓の血管を損傷して出血し、一時、心肺停止状態に陥った。女性は後日、くも膜下出血を起こして死亡。病院は病理解剖をし、死因はくも膜下出血と判明した。外部委員による調査委員会は、「心臓の血管損傷と死亡の因果関係は不明」との結論を出したため、病院は警察へ異状死の届け出をしなかった。
病院の宮本達也事務長は「外部の調査委員は、心臓カテーテルの手技そのものは問題ないと判断している。遺族側とは示談交渉を進めているが、まだ合意に至っていない。今後も話し合いを続けていく」と話している。【野宮珠里】
毎日新聞 2008年8月28日 地方版