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【社会】

路線バス全面撤退へ JR東海バスが意向

2008年8月28日 朝刊

 ジェイアール東海バス(名古屋市)は27日、路線バス事業から全面撤退する方針を明らかにした。運行している愛知県内の5路線を来年9月末までで廃止したいとの考えを、自治体やバス事業者でつくる愛知県バス対策協議会に申し出た。

 ジェイアール東海バスによると、1987年以降に旧国鉄バスから事業を引き継いだJR旅客6社のバス子会社のうち、路線バス事業からの全面撤退を表明したのは同社が初めて。

 廃止を申し出たのは小幡緑地(名古屋市守山区)−瀬戸みずの坂(同県瀬戸市)間などを結ぶ小幡緑地線や、同県春日井市内を走る春日井線など5路線・13系統。今後、同協議会で約1年かけて路線を引き継ぐ事業者があるかどうかなどを調査し、路線の存廃を最終決定する。

 これらの路線バス1台の平均乗客数は5・1−6・8人で、年間の赤字額は約1億円に上る。燃料費の高騰などもあり、同社は事業継続を断念した。

 同社は発足時の88年には愛知、岐阜、静岡の3県内で路線バスを運行していたが、2000年以降、不採算路線からの撤退を開始。昨年4月以降は小幡緑地線など5路線だけになっていた。

 廃止が決まれば、同社は高速バスや貸し切りバスに経営資源を集中することになる。路線バスとは対照的に同社の高速バス事業は好調。現在、名古屋−東京間の「東名ハイウェイバス」など12路線・33系統を運行している。

 

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