日本の医療体制の見直し策を検討していた厚生労働省の検討会は27日、医師の確保や救急医療体制の整備などを柱とする中間報告を公表した。産科・救急医らの手当を直接、財政支援する短期的な対策に加え、中長期的には医学部の定員を増やしていく方針を打ち出した。地域医療崩壊の危機を招いた医師数削減の方針から大きく転換する。
医師不足対策は政府が7月にまとめた社会保障に関する「5つの安心プラン」の目玉だ。地方病院や救命救急、産科などで医師が不足しているとの前提にたち、「安心と希望の医療確保ビジョン具体化に関する検討会」(座長・高久史麿自治医科大学学長)が舛添要一厚労相の参加のもと7回16時間にわたって議論を重ねてきた。
今回の中間報告で即効性のある対策として打ち出されたのが、過酷な勤務を強いられている小児救急や時間外分娩(ぶんべん)など病院に勤める医師への手当の支給。診療報酬の引き上げでは医療機関の収入は増えるが、勤務医の収入増には必ずしもつながらない。このため、医師本人に直接手当を支給するよう提言した。(01:08)