昨日の記事の続きです。
こどもさんの発達障害を疑ったとき,受診の障壁となると思われるものをいくつか挙げましたが,ひとつずつ取り上げてみたいと思います。
まずは,1. 身近なひとが受診に反対している,という場合。
これは意外と多いのではないかな,と推測しています。
お母さんもいろいろ迷われた末とりあえず一度受診してみようと思った,ところがたとえばお父さん,たとえばおじいちゃんおばあちゃんが「待った!」を掛けてこられる。
おそらく受診に反対される理由の大部分は「こどもを(孫を)精神科へ連れて行くなんて!」ということだろうと思います。
…ええ,ご心配はごもっともだと思います。
まだまだ精神科の敷居は高いのです。
精神科に対する先入観・偏見というものは多かれ少なかれどうしてもまだあるだろうと思います。
でも,今や精神科は「おかしなひと」「異常者」が行くところではなく,日常の社会生活に適応することがしんどくなったり難しくなったひとが心身(脳も身体の一部ではありますが)の休養をとったり脳内のトラブルをお薬で和らげたりするために訪れるところ,に変わってきていると私は思っています。
そして,精神科と児童精神科ではまた事情が違ってきます。
児童精神科の役割の一部分としては,こどもさんを対象として先ほど書いたような機能を果たすことになるのでしょうけど,発達に関する相談はまた別の話です。
そのこどもさんがもし今社会生活にうまく適応できていないとしたら,それは発達の問題によるものなのか。
発達のアンバランスがあるとしたら,そのこどもさんの場合はどのような形で現れているのか。
そのアンバランスはどのようにしたらカバーできるのか(長所を伸ばし,苦手を補うにはどうすればよいのか)。
今すぐできる工夫,将来に向けて備えるべきこと,利用できる社会資源はどんなものがあるのか。
…そういったことが話し合える場であるだろうと思います。
こどもさんにとってプラスになることを一緒に考える場所,そう思っていただけるととても嬉しいのですが…。
やはり身近なところで受診に反対されていると,なかなかそれを押し切ってこどもさんを児童精神科へ連れて行くのはしんどいことですよね。
もう一度,受診する意味や目的についてみなさんで改めて話し合ってみていただけたらいいな,と思います。

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