ここ数日は、祭りの後のような寂しさをぬぐえずにいます。
十七日間にわたり熱戦を繰り広げた北京五輪が閉幕し、東京都内で二十六日、日本選手団の解団式が行われました。
愛する家族に捧(ささ)げる金メダル、けがで出場を逃したチームメートのために団結してプレーするナインたち…。力を尽くすことの素晴らしさ、人と人をつなぐ絆(きずな)の美しさなど感動的シーンの連続でした。
岡山、広島、香川から五輪出場を果たした郷土アスリートたちも、それぞれの挑戦を終えて次々帰国しています。女子マラソンで十三位と健闘した天満屋の中村友梨香選手は「普段の練習で自分を追い込めていなかったから、試合で全力を出しきれなかった。そのことが北京で分かった」と本紙記者に語ったそうです。貴重な経験は今後の競技人生に生かされることでしょう。
五輪マラソン二大会連続メダリストの有森裕子さん(岡山市出身)は以前、記者との関係を尋ねると次のように答えてくれました。
「良い時も悪い時も、現場の状況を正確に押さえた報道はありがたい。そうしてできた記事は内容の重さが違います。やはり現場に足しげく通ってくれる記者は大事にしたいですね」
郷土勢の中には、北京五輪代表から惜しくも漏れ、次回二〇一二年ロンドン五輪を目指す選手もいます。地元アスリートを継続して追い続けることができるのも地方紙ならでは。五輪閉幕は、記者にとっても四年後に向けたスタートだと感じています。
(運動部・飯田陽久)