ワシントン(AP) 霊長類のオマキザルは自分だけが餌をもらうよりも、家族や仲間と一緒に餌をもらう方を好むという実験結果が、26日の米科学アカデミー紀要に発表された。
実験を行ったのは米ジョージア州アトランタのエモリー大学霊長類研究所。メスのオマキザル8頭に餌と交換できる2種類のコインを与え、1つ目のコインを選ぶとリンゴ1切れと交換、もう1つのコインを選んだ場合は仲間のサルにもリンゴ1切れを与えた。
その結果、血縁関係のある相手、または仲のいい相手と組ませた場合は一緒に餌をもらえるコインを選ぶ傾向が強かった。一方、知らない相手と組ませた場合は自分だけがもらえるコインを選ぶ確率が高く、もう1匹に対して背を向けてしまうこともあった。
親密度が高いほど一緒に餌をもらう方を選ぶ確率は高かったといい、サルが仲間に対して愛着を感じていることが示されたと、研究チームは解説。「サルたちは仲間が餌をもらうのを見て満足感を感じている。相手のことを思いやっているようだ」と分析している。