日本ではダメなのに、カナダではネットで観られる「かぐや」ハイビジョン画像
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の月探査機「かぐや」に日本放送協会(NHK)が搭載したハイビジョン画像は、日本国内ではネットで観ることができない。480×270ピクセルの縮小画像がJAXAのホームページで公開されているだけである(前回の記事参照)。
ところが11月中旬からカナダでは、「かぐや」が撮影したハイビジョンによる月面の画像が、1440×1080ピクセルのハイビジョン画像でネット配信されている。フルスペックハイビジョンの1920×1080ピクセルには及ばないが、縦1080ラインの堂々たるハイビジョン画像だ。
ディスカバリーチャンネル・カナダがNHKとの契約に基づいて配信しているもので、配信先はカナダ国内に限定されている。サーバーがどの国からのアクセスかを判別しているらしく、日本を含むカナダ国外からは観ることができない。NHKは、国内でハイビジョン画像をネット配信しない一方で、ディスカバリーチャンネル・カナダにはネット配信を認めたわけである。
かぐや搭載ハイビジョンカメラは、日本国民がNHKに支払った受信料で開発された。そして「かぐや」は日本国民が政府に支払った税金で開発された探査機である。当然第一にその成果を還元すべきは日本国民であるはずだ。しかしNHKは、公共性を放棄し、海外とのビジネスを優先した。これは公共放送という組織のありようからして大きく逸脱していると言うべきだろう。
日本国民の不幸の上にビジネスするNHK
NHKは公共放送だ。放送法はNHKに「あまねく」放送を届ける義務を課している。電波を届ける義務は、「公共」であることの証拠であり、逆にNHKの公共放送としての特別な地位を保証してきた。
しかし今現在、日本の情報環境は、ハイビジョン画像をそのまま「あまねく国民に届ける」には、地上波デジタル放送やデジタルBSよりも、ブロードバンドのインターネットのほうが有効だという状態になっている。
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