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【好機!】KDA 木田行則社長(66) モノづくり楽しみ独創的な製品
FujiSankei Business i. 2008/4/16

【プロフィル】木田行則
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 きだ・ゆきのり 明治大学文学部卒。会計事務所勤務を経て、1969年木田工業(現KDA)を設立。愛知県出身。
【プロフィル】木田行則

 きだ・ゆきのり 明治大学文学部卒。会計事務所勤務を経て、1969年木田工業(現KDA)を設立。愛知県出身。
 
 付加価値の高いオンリーワンの技術を武器に、半導体製造装置や燃料電池などの部品メーカーとして、日本のモノづくりに貢献している。

 4人きょうだいの末っ子として生まれ、生後8カ月のときに父が戦死する。母は青果物商を営み、女手一つで祖母と一家6人の生活を支えた。

 1人で家族の生活を背負う母を、小学校に上がる前から手伝うようになり、このことで起業家精神がはぐくまれた。

 大学卒業後、会計事務所に勤務したのち、東京・蒲田の町工場の4畳半のスペースを借りて妻とともに起業する。プラスチックを加工して、看板やスーパーの買い物かごなどを製作したのが、モノづくりのスタートとなった。

 文学部出身でモノづくりに関しては門外漢だった。ただ、「終戦直後の物資不足の時代に幼少期を過ごしたため、自分で遊び道具を作った」と創意工夫してモノをつくることは好きだった。もともと旺盛な探求心もあり、モノづくりを独学で身に付けてゆく。

 現在、注目を浴びているのがセラミックネジ。「複雑な形状でも製造を可能にし、金型をできるだけ使わずに工程数を最小限に抑えた。コストを削減して低価格を実現し、納期も短くした」と従来品との差別化を徹底して推し進めた。

 しかし、これは10年ほど前の失敗から生まれた製品だった。そのころ光造形という光でモノを造る方法が開発され、同技術に可能性を感じて1億円を投資し、光造形機を導入した。だが、3カ月で価値がないことが判明する。それでも「何かをつかまなくてはいけない」と粘り腰で研究を続けた。やがて、セラミックネジの製造に活路を見いだし、3年ほど前から主に燃料電池用部品として販売を始めた。出足は悪かったが、昨年から徐々に売れ行きが伸びてきた。

 「独学でモノづくりを身に付けたので、専門知識のある人とは違う方法で独自の工夫をしてきた」とプラス志向がモットー。モノづくりを楽しみながら、これからも独創的な製品で勝負する。(佐竹一秀)

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【会社概要】KDA

 ▽本社=東京都大田区仲六郷4の13の6

 ▽資本金=1000万円

 ▽従業員=50人

 ▽売上高=10億円(2007年11月期)、08年11月期は12億円を計画

 ▽事業内容=セラミック製品、プラスチック製品の製造販売など

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