だいぶ前になるが、ある仕事の関係でアーバンコーポレーションの副社長に会ったことがある。
当時、副社長兼大阪支社長だった西村裕司氏はまだ30代。
その30代の若き実業家は、セルシオでもベンツでもなく、なんとリムジンで登場した。
そう、あの胴体がびよよ〜んと長いリムジンだ。
傍らには、何屋さんかわからない筆文字風の名刺をもった初老の紳士を伴っていた。
あの時の印象があまりにも強烈なので、倒産のニュースを聞いたときにはびっくりした。
そんな簡単に倒産するようなタマには見えなかったからだ。
今回の倒産劇では、西村氏は報道に登場しない。
その後、ゴルフ場開発の子会社を任され、社長になっていたようだ。
ところが、他のことを調べているウチに、この倒産劇についてとんでもない記事を発見してしまった。
アーバンコーポの倒産で荒稼ぎ 〜生き馬の目を抜くハゲタカ外資の裏技〜
2008.8.18 Net-IB
負債総額2,558億円と今年最大級の倒産となった東証1部上場の不動産開発会社、アーバンコーポレイション(広島市、房園博行社長)。外資系金融機関と裏契約を結んでいたことが明らかになり、株式市場で波紋を広げている。
(中略)
BNPは、アーバンの株価がどんどん下がるほど、空売りの売却益が膨れ、アーバンの支払いがゼロになる、という2重のメリットを享受できる。300億円は全額回収、アーバンに支払った92億円を大きく上回る売却益を手にした。一般投資家に、紙きれになるアーバン株を押し付けて、BNPは荒稼ぎしたのである。
アーバンはスワップという裏契約を結んでいたことを破綻するまで公表しなかった。BNPだけがボロ儲けできる仕組みがバレてしまうためだ。BNPは、このスキームをどうやって房園社長に飲ませたのか。自分にメリットがなければ、受け入れるわけがなかろう。ここにも「裏がある」との疑惑がささやかれている。
詳しい話は、記事を読んでもらうとして、こんな掲示板もある。
アーバン 計画倒産 被害者の会
ここでは、倒産前日(8月12日)に、アーバン株のほとんどが売られていたと書かれている。
因みに、筆頭株主だった社長の房園氏も、7月には銀行の借金の担保という形で、自分の株を処分していた。
今年になってから大量にアーバン株を買ったのは、記事で問題にされているBNPパリバ(仏)と、かの有名なゴールドマンサックス(米)だ。
この保有株を担保にして、莫大な空売りを仕掛けたのだろう。
マンションとかホテルとかゴルフ場とか、大金の動くところには、大ハゲタカが舞い降りる。
こんな世界から逃げ出して、木の家いっぽんに絞って来たのは正解だったなあ。
でも、こうやって日本のカネがじゃんじゃん、湯水のごとく吸い取られていったら、木の家を建てる人なんてどんどん少なくなっていくだろうなあ。