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県立中央病院:07年度の救急搬送、34%増 想定超え「限界に」 /茨城

 ◇医療過疎地の受け皿にも

 県立中央病院(笠間市鯉淵)が07年度、救急搬送受け入れが前年度比34%増の3344人になったことが分かった。救急体制を拡充したことに伴うもので、とくに水戸市の周辺地区や、北関東道が延伸された筑西地区からの受け入れ増が目立ち、救急需要に対応しきれない地域の受け皿として機能している。しかし、県病院局にとっては想定を超える急増で「中央病院も受け入れの限界だ」として、新たな対応に迫られている。

 同病院は07年4月から救急部門を救急センターに格上げし、救急専門医1人をセンター長として確保。同年7月には集中治療室(ICU)が4床稼働、また同11月には救急の措置室を1室増やし3室とした。受け入れは06年度は月平均208人だったが、07年度は279人。今年度は4~7月で304人と増えている。

 消防管内別の増加率で目立つのが、那珂20人(233%増)▽ひたちなか82人(173%増)▽大洗32人(128%増)。水戸を通り越して搬送されることに県病院局は「水戸地区の医療機関も受け入れの限界と聞いており、これを裏付ける数字だ」という。

 中央病院も体制拡充で期待された余裕はなくなっている。これまでの搬送受け入れは1日に最大18人。急患搬送口には県内各地から到着した4台の救急車が並ぶこともある。搬送と別に救急車を使わずに来る急患にも対応。同病院の片田正一・救急センター長は「救急は各科の医師が通常の勤務に加えて診ており、(加重な勤務に)現場は疲弊している」という。

 県病院局は「水戸にある医療機関の救急体制が何らかの事情で崩れるだけで、県全体に影響を与えかねない現状だ」と強調。水戸地区の体制充実を模索しながら、一方で患者側には、不急の救急利用の自粛を改めて訴える。【若井耕司】

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 ◇消防管内別の搬送患者数

笠間   1649人  (20.8%増)

水戸    869人  (54.6%増)

茨城    214人  (28.9%増)

石岡    133人  (18.8%増)

筑西    122人  (56.4%増)

小美玉   106人  (17.8%増)

ひたちなか  82人 (173.3%増)

城里     34人(3300.0%増)

大洗     32人 (128.6%増)

那珂     20人 (233.3%増)

 ※上記は、07年度の搬送実績が20人以上。カッコ内は対前年度比

毎日新聞 2008年8月27日 地方版

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