« 理系白書ブログへのコメントスクラムについて | Accueil | 業務妨害行為者と「言葉の戦争」をすることは無意味ではないか。 »

14/07/2008

「多少の医療ミスがあったとしても目をつぶるべき」とのコメントが容認されているブログって、どこがレベルが高いのだろう。

 mohnoさんがいかに助け船を出そうが、結局、矢部先生のブログのコメント欄に投稿する医療系コメンテーターって、多少の医療ミスがあったとしても目をつぶるべき(by うらぶれ内科 さん)とか、医療訴訟で多額の賠償金をもらって喜ぶのはごく一部の患者家族だけです。損をするのは現場の医師というより、同じ治療を受けられなくなる後続の患者さん達なのですとして刑事免責と民事免責(同等のもの)を要求するもの(by uchitama さん)が横行するのですね。医療系コメンテーターを批判する私にいちゃもんをつけてくる一部の匿名さんは、「多少のミス」をして患者を死に至らしめることまで「まともな医療行為」に含めるのかもしれませんが。なお、「医療訴訟で多額の賠償金をもらって喜ぶのはごく一部の患者家族だけ」との表現は、医療過誤訴訟の原告たる患者の遺族をずいぶんと馬鹿にした表現だと思いますが、この種の表現はあそこのブログ主によって容認されているようですね。

 なお、人命に関わるような物の設計ミスは、やる気さえあれば確実に防止できます。やらないのは味噌も糞も一緒くたに扱う昼寝さんのような思考形態の持ち主か、人名などそっちのけで費用と効果をはかりにかける金儲け優先主義者が製造会社に多いせいでしょう。(by 福田恒存をやっつける会会長 さん)なんていう、他のコメンテーターさんや、他の業界を不当に貶めるような表現でも、お医者様を批判するものでないからでしょうか、容認されているようです。

 私の目から見るときに,医療ミスを設計ミスと同じように扱うのはいかがなものかと思います.むしろ,製品の歩留まりと同じようなものと考えるべきではないでしょうか?歩留まりが100%でないことを理由として,刑事罰を受ける業界がありますか?(by タカ派の麻酔科医 さん)との発言からすると、医療ミスにより患者を死に至らしめる程度のことは「製品の歩留まり」と同じようなものであると、あのブログに投稿するような医療系の方はお考えのようです。怖い話です。この考えのもとでは、医療ミスによる患者の死をどの程度減少させるかは、歩留まり率を上げることによる利益とそのために要するコストとを対比して、医療機関側が自由に決定しうるということになります。しかも、医療ミスなんて所詮歩留まりのようなものだから法的責任を医師に負わせることはおかしいということになると、医療機関としては、医療ミスによる患者の死を防止するメリットは「評判の向上」しかないわけですから、医師人口が過剰となって医師の間の競争が激化しない限り、コストをかけてまで医療ミスによる患者の死を防止しようというのは経済合理性を欠くということになりそうです。

|

TrackBack

URL TrackBack de cette note:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/13499/41830014

Voici les sites qui parlent de 「多少の医療ミスがあったとしても目をつぶるべき」とのコメントが容認されているブログって、どこがレベルが高いのだろう。:

Commentaires

Poster un commentaire