2008年06月16日 (月)おはようコラム 「山あいの地震被害 ~岩手・宮城内陸地震~」
(阿部キャスター)
岩手・宮城内陸地震では、各地で大規模な土砂災害などが起きて被害を広げました。
Q1:大変な災害になりましたね?
(山﨑解説委員)
A1:直下型の地震が地表に近い場所で起きると、本当に怖いなあと改めて痛感しました。
今回の地震と被害には、大きくいって3つの特徴があると思います。
一つは、各地で土砂崩れや地すべりなどの土砂災害が起きたことです。温泉宿の建物が土砂に埋まったり、工事現場の作業をしていた人が土砂に飲み込まれたりして犠牲になりました。大きな揺れに襲われた地域は、固い地盤の上に栗駒山などの噴火による火山灰などがたい積した比較的やわらかい地盤がのったところで、激しい揺れで土砂崩れなどが起きやすかったとみられています。
Q2:それで山全体が崩れたような土砂災害になったんですね?
A2:そうですね。二つ目は、山あいの地域を地震が襲ったために、道路や通信手段が寸断され、孤立した地区がでたことです。
三つ目は余震活動が活発だということです。最近の主な地震と比較しても、去年の能登半島地震や中越沖地震に比べて活発なことがわかります。
余震は本震よりもマグニチュードが小さくなりますが、今回は本震が大きかっただけに、余震でもマグニチュード6くらいで、震度は6弱くらいになる恐れがあります。80年ほど前に起きた、同じような規模の北丹後地震では、24日後にマグニチュード6を超える余震が起きました。まだしばらくは、十分な注意が必要です。
Q3:そうした余震による二次被害が心配ですね?
A3:大事なことは、これ以上の被害を出さないようにすることです。
まずは、更なる土砂災害への警戒です。土砂災害は単独で起きることもありますが、地震や大雨など大きな災害に付随して起きるという特徴があります。
専門家に聞くと、雨による土砂災害は水が溜まりやすい谷状になったところで起きやすく、地震による土砂災害は山のように盛り上がったところが危険だということです。こうした点にも注意して、救出や復旧などの作業にあたって欲しいと思います。
二つ目は、被災者へのきめ細かい対応です。最近の地震では、避難生活のなかで、高齢者などがストレスや疲労などから犠牲になるケースが増えています。高齢者などの体調管理にも気を配って、これ以上の犠牲者がでないようにして欲しいと思います。
投稿者:山﨑 登 | 投稿時間:09:03