2008-08-27
そもそも他人に期待するからあなたの恋も上手くいかないのです
これには大いに共感させられた。
ぼくも大人になってから、「なんで学校ではこれを教えてくれなかったのだろう?」と思わされることがしばしばあった。大人になって、自分で気付いたり、あるいはひょんなきっかけで知ることのできたテクニックで、「もっと早くに教えてくれていれば、こんなに回り道をせずにすんだのに」と恨めしく思ったことが何度かある。
そのうちの一つに、「人に期待をしてはいけない」というのがある。このことをもっと早くに教えてくれれば良かったのにと、これに初めて気付いた時には大いに憤慨させられたものだった。
というのも、ぼくはどうにも「人に期待してしまうタイプ」だったからだ。人に常に理想的な状態を期待し、あいつならやってくれるだろう、あいつならできるはずだと、そんなふうな夢見がちなタイプだったのである。
でも、当たり前のことなのだけれど、人が期待通りにやってくれるなんていうのは滅多にない。できないことがほとんどだ。だから、いつもいつも、とてもがっかりさせられる。
そして、たまに期待通りにできたとしても、嬉しくなかったりする。期待していた分、当たり前に思ってしまう。これまでできてこなかった分の鬱憤が溜まっているから、一度できたくらいでは、間尺が合わなくなっているのだ。だから、「やっとできたのかよ」と、むしろ少し苛立たしげな気持ちにさえなる。
それは、例えていうなら、金メダルを確実視していた選手が三位になった時のようなものだ。銅メダルを取ったのにも関わらず、ガッカリしてしまう。ちっとも嬉しくない。顔がブスッとしてしまって、愚痴の一つや二つもこぼれ落ちる。
しかし、これでは人生うまくいかない。嬉しい瞬間というのがほとんどないし、ストレスばかりが溜まってしまう。いつも不機嫌なものだから、人間関係も崩れていってしまう。親しい人などちっともできやしない。むしろ周囲とのあいだに険悪さばかりが募っていく。
大人になってだいぶ経ってから、ぼくはそのことに気付いた。ある日はたと気付いた。
「ああ、そうか、おれは今まで人に期待していたからこんなにいつも毎度毎度嬉しくなかったのだ! 毎度毎度人にきつく当たっていたのだ! いつだってむくれてふてくされていたのだ!」
そう気付いてから、思い切って人に期待することをやめてみた。これまでは「人に期待をしなければいけない」みたいな言説をさんざん聞かされてきて、それをすっかり信じ込んでいたけれども、もうそういうのは信用ならない詭弁だし大嘘だと決めつけて、人に対して全く期待心を捨てるようにした。
それからは、どうせあいつは失敗する、どうせあいつは人の言うことなど聞きはしない、どうせあいつは怠け者だ、どうせあいつはだらしない人間だ、どうせあいつは弱虫だ、どうせあいつは口だけだと、他人に全く期待しないようになった。
するとどうだろう、とたんにバラ色の世界がぼくの目の前に広々と開けたのだった。
なにしろ、全ての人を見くびってるものだから、ちょっとでもできるととても感心させられる。それはもう、心から感心させられる。
例えて言うなら、一回戦で負けるはずだと決めてつけていた選手が、勝ち進んで三回戦までいったようなものだ。もちろんメダルには手が届かなかったのだけれど、しかしそれは嬉しいことだ。それも心から嬉しいことだ。むしろ涙が出るほど嬉しいことで、銅メダルを取ってブスッとしている選手よりも、何倍も何十倍も嬉しい。
心から嬉しいから、それを素直に相手にも伝える。すると、相手もすごく喜んでくれる。そして、こちらに好意さえ抱いてくれる。その人に全く期待してなかったのにも関わらず、「あなたはわたしの一番の理解者だ」とまで言ってくれる。
ああもうなんで学校ではこのことを教えてくれなかったのだろうと、ぼくは本当に地団駄を踏んだものだ。しかしぼくはまだ途中で気付けたから良かった方だ。世の中には、間違ったことを教わったまま、まだ人に期待して苦しんでる人が多いののではないだろうか?
それを思うと、ぼくほ本当に気の毒でならない。だからぼくは、できるだけ多くの人にこれを伝えたいと思っている。人に期待しないということを知り、それを実践するだけで、本当に生きるのが楽しく、また豊かになるのだということを、もっと多くの人が伝えることができたらと思う。
スーパーなどへ行くと、時々子供をきつく叱りつけているお母さんなどに出くわす。「どうしてあなたは言うことが聞けないのっ!」と、公衆の面前で、金切り声を張り上げて子供を叱りつけている。
しかしぼくは、そういうお母さん方に言ってあげたい。あなた、子供に期待しちゃダメですよ。子供は言うことを聞けないのが当たり前。バカで卑怯で愚図でのろまでうすのろで、本当にどうしようもない虫けらのような生き物なのだから、期待などしてはいけません。むしろ何もできないでクズだと思うくらいでちょうど良い。それくらいで接すれば、今日からあなたの人生はバラ色に変化して、もうこんな公衆の面前で金切り声を上げる必要もなくなりますよ、と、そんなふうにアドバイスしてあげたい気持ちで一杯になるのである。
あるいは、深夜のカフェなどに行くと深刻な顔でケンカをしてるカップルなどにたまに出くわす。女の子が、目を吊り上げて男を詰問したりしてる。男は、伏し目がちにしどろもどろの弁明をくり返している。話の内容までは聞き取れないが、大方浮気をしたとかなんとかで揉めているのであろう。
ああ、とぼくはその女の子に教えてあげたい衝動でいっぱいになる。ああ、あなた、そんな男に期待するから自分がそうしたつらい思いをする羽目に陥るのですよと。そもそも他人に期待するからあなたの恋も上手くいかないのです。期待してはいけません。むしろ男なんて嘘つきのていたらくで甲斐性なしの穀潰し、詐欺師でペテン師で恥知らずの犯罪者だくらいに思うのがちょうど良い。男なんてまるでダメです。みんな生まれてすみませんというくらいに生きてる価値さえ覚束ない無能ものの集まりです。今後何が起ころうと、あなたの期待に添うようなことは何一つしてはくれないでしょう。それくらい思っていれば、あなたの人生これから本当に穏やかで実り豊かでなものになるはずで、幸せというものの本当の意味を知ることができるはずです。男になんぞ期待してはいけません。むしろ見くびって、バカにして、蔑んで、唾棄するくらいがちょうど良い。
と、そんなことを教えてあげられればなと、切実に思ったりするのです。
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