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【主張】米大統領選 ロシアに毅然たる対応を

2008.8.27 02:53
このニュースのトピックス主張

 米民主党全国大会がコロラド州で開幕した。27日にバラク・オバマ氏を党大統領候補に指名する。共和党も来月1日からミネソタ州での全国大会でジョン・マケイン氏を指名し、大統領選は本番に突入する。

 党大会は政策綱領を採択し、正副大統領候補を決める重要な行事だ。お祭り騒ぎでそれぞれの党勢を華々しく盛り上げて、9月からの本選に備える。その本選では、イラク情勢の好転などで外交・安全保障の争点が後退し、経済、雇用、社会保障などの内政課題が中心になると思われた。それが北京五輪前までの情勢だった。

 ところが、カフカスで突然火を噴いたロシアとグルジアの紛争をきっかけに、国際安全保障問題が緊急の争点に浮上してきた。

 グルジアのサーカシビリ政権は2003年の「バラ革命」を経て民主的に選ばれた。南オセチア州の分離独立要求の経過は複雑であるにせよ、ロシアがグルジア領に侵攻し、和平合意を無視して居座り続けているのは国際規範の重大な侵害だ。国際社会はこのような暴挙を許してはならない。

 米欧がロシアの強権的行動に懸念と批判を高めるのは当然だ。北大西洋条約機構(NATO)はロシアとの関係凍結を打ち出し、欧州連合(EU)は来月1日の緊急首脳会議で対応を協議する。ブッシュ米政権も近くチェイニー副大統領をグルジア、ウクライナなど4カ国に派遣すると発表した。

 にもかかわらず、ロシアのプーチン首相、メドベージェフ大統領は世界貿易機関(WTO)との加盟交渉凍結やNATOとの関係断絶も辞さない構えだ。米欧との対決姿勢を強めている。

 世界がロシアの行動に憂慮を深めている中で民主、共和党大会が開かれるのはいい機会だ。ポーランド、チェコのミサイル防衛(MD)配備、イラン、北朝鮮問題などもある。米露関係をどうするかは世界の平和と安全にかかわり、次期大統領も引き継がざるを得ない重要な外交課題である。

 ロシアを主要国首脳会議(G8)から除外するのがマケイン氏の持論だが、出遅れたオバマ陣営もロシアを強く非難している。民主、共和党は内政や党派政治に流されず、ここは結束すべきときだ。「新冷戦」の危機を回避しつつ、国際社会のルールと理念を尊重するように、ロシアに毅然(きぜん)とした対応を練ってもらいたい。

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