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奈良の過疎地開業医、65歳以上が6割強
県内の過疎地の開業医は、65歳以上が全体の6割強を占めていることが26日、県の調査で分かった。中でも黒滝、天川、野迫川、下北山、上北山、川上の6村と、五條市の旧大塔村地域では、開業医がゼロの状態という。過疎地開業医の高齢化の進行や医師不足が改めて裏付けられた格好で、県は「このままでは、過疎地医療は崩壊する」と危機感を強めている。
この日開かれた県議会の過疎地・水資源等対策特別委員会で、県の担当者が明らかにした。
県内の医師不足が指摘される中、県では今年3月、過疎地域自立促進特別措置法で過疎地に指定されている地域を対象に、開業医の年齢構成を調査した。県東南部の14市町村が対象となり、このうち五條市は合併前の旧西吉野村地域と旧大塔村地域、宇陀市では旧菟田野町地域と旧室生村地域について調査した。
その結果、調査対象内の開業医は全体でも21人で、うち65歳以上が13人(61・9%)を占めていた。これに対し、50〜64歳は5人(23・8%)、49歳以下はわずか3人(14・3%)だった。
深刻な現状を踏まえ、県は過疎地での医師確保に向け、市町村担当者や医療関係者などで「へき地医療推進協議会」(仮称)を設置することも検討している。県地域医療連携課は「近い将来さらに高齢化が進み、開業医の廃業が立て続けに起きかねない。一刻も早く若手を確保していく必要がある」としている。