周防大島町は25日、町立大島病院の新築計画の建築費を抑えた見直し案を町議会に示した。現行の病床数99床を変えず、建築費の上昇を約9億円で抑えるとしている。
町議会の全員協議会(全協)が開かれ、病院を運営する町公営企業局が計画見直しに向けた中間報告をした。前回の全協で、当初計画の建築費約30億円が資材の高騰などで約21億円上昇することが分かり、議会は町側にコストダウンを要求。99床のうち60床を慢性疾患を抱えた高齢者向けの療養型病床とする規模については、現行通りを求めた。
見直し案は、6階に入居予定だった企業局の事務所を計画から外し、6階建てを5階建てに縮小した。また、国の制度変更により、新たな財源として建築費の25%を過疎債で賄える見通しになったと説明。従来の病院事業債に比べ、実質の返金額が少ない借金であることを強調した。
中本冨夫町長は見直し案への理解を求め、9月議会で工事金額の変更の議決を求めたい考えを示した。しかし、複数の議員から「説明会を開き住民を納得させるのが先」との意見が出て、賛否について意見集約をしなかった。【近藤聡司】
〔山口東版〕
毎日新聞 2008年8月26日 地方版