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ロシア:グルジア軍事介入、経済に打撃 資金流出、株下落

 【モスクワ大木俊治】グルジア南オセチア紛争の影響で、好調だったロシア経済が揺れている。軍事介入の直後に約70億ドルの資金が海外に流出したほか、主要株価指数や通貨ルーブルも下落傾向が続いている。ロシア経済が事実上破綻(はたん)した98年8月の「ルーブル危機」からちょうど10年に当たることもあり、影響の深刻度をめぐって専門家の間で議論になっている。

 ロシアのクドリン副首相兼財務相は17日、ロシアが軍事介入した今月8日と週明け11日の2日間で、約70億ドルの資金がロシアから海外に流出したことを明らかにした。またロシア中央銀行は21日、8日から1週間で、外貨準備高が164億ドル減の5811億ドルになったと公表した。この減少規模は、ロシアが06年8月にパリクラブ(主要債権国会議)への債務約220億ドルを前倒しで完済した時以来という。

 海外取引を中心とするロシア企業の主要株価指数RTSは軍事介入が始まった8日、終値で前日比6.5%安の1722に下落。その後もグルジア攻撃の拡大を嫌気して、19日には1700台を割り込んだ。国内取引を中心とする主要株価指数MICEXも、7日の1434から8日に5.2%急落し、一時持ち直したが19日から再び低迷している。ルーブル相場も20日には1ドル=24.43ルーブルと、7日から1ルーブル以上も下落した。

 専門家の間では、株価の下落傾向は7月初めから続いており、原油価格の下落など別の要因が大きいとも指摘される。ただ、これまで米国のサブプライムローン破綻に始まった国際金融危機の影響をほとんど受けずに強さを誇ってきたロシア経済が、軍事介入による国際的な孤立で打撃を受けることも懸念され始めている。

毎日新聞 2008年8月23日 19時03分(最終更新 8月23日 19時04分)

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