アフガニスタンで活動する非政府組織(NGO)「ペシャワール会」(福岡市)の日本人スタッフが拉致された事件で、外務省幹部は26日夜、アフガン内務省から現地の日本大使館に「解放された」との連絡があったことを明らかにした。同会などによると、このスタッフは同会ボランティアワーカーの伊藤和也さん(31)=静岡県掛川市出身=。外務省は解放時の詳しい状況や伊藤さんの健康状態などの確認を急いでいる。
身代金などの要求は確認されていない。
政府は同日午後、首相官邸の内閣危機管理センターに情報連絡室を設置し、情報の収集を進めていた。ペシャワール会によると、伊藤さんは同日午前6時半(日本時間同11時)〜7時半(同正午)、アフガン東部ジャララバード近郊のダラエヌール渓谷で、アフガン人運転手とともに連れ去られたという。
現地はジャララバードの北北東40キロ程度の農村。伊藤さんはダラエヌール診療所近くの宿舎に住んでおり、試験農場に向かう途中だった可能性がある。
タイにいる中村哲代表が現地事務所と連絡を取ったところ、武装した4人組を村人らが囲み、アフガン人スタッフや有力者を交え解放するよう交渉が行われた。
日本政府高官によると、村人のほか、警察も周辺を包囲したという。
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