トヨタが今年の秋に発表するiQは、既に各モーターショーで「iQコンセプト」の名でその姿を明らかにしている新たなコンパクトカーである。特徴といえるのはメルセデス・ベンツのスマートのように、新たな市場を切り開くシティコミューター的発想を持ってつくられていること。初代スマートは2人乗りと割り切ることで全長を2.5mとして新たな市場を築いたが、iQは大人3人+子供1人の乗車を考え、全長を3m以内とした新発想で勝負を挑むモデルである。
短い全長の中にそれだけの乗車人数を確保するために、メカニズム的にも新たなトライを行っているのが特徴。特にフロントのディファレンシャルを反転させて前へ出すことによって、エンジンおよび補器類が室内に張り出すことを防いでいる。同時に運転席と助手席をオフセット配置することによって各シートでのゆとりを生み出すつくりとしている。
搭載エンジンは1.0/1.3Lの2種類が用意されているといい、欧州ではディーゼル・エンジン搭載車も登場する予定。組み合わせられるトランスミッションは国内ではすべてCVTとなり、欧州ではMT仕様も用意する予定だという。CO2排出量も99g/kmと極めて低い数値を実現したいとトヨタはいう。
またiQがユニークなのは、低価格な小型車を標榜(ひょうぼう)するのではなく、高品質な小型車を標榜していること。このためトヨタ内においては最もコンパクトなモデルでありながらも車両価格はヴィッツと同等以上になるということである。
つまりプレミアムなコンパクトカーを目指している、ということである。事実その証しともいえるように、内外装は非常に高いクオリティでつくられており、脱小型車を感じさせる質感を醸し出している。果たしてこのiQ、日本の小型車を変えることができるか?が注目である。