ひだまりスケッチで百合語り
- 1 :名無しさん@秘密の花園:2007/01/30(火) 01:51:31 ID:E2ThSBjp
- アニメ化もされたほのぼの四コマ漫画、ひだまりスケッチのスレ
アニメ放送局と時間
TBS 毎週木曜日 25時25分〜 1月11日(木)〜
CBC 毎週金曜日 26時40分〜 1月19日(金)〜
BS-i 毎週木曜日 24時30分〜 1月25日(木)〜
MBS 毎週土曜日 26時25分〜 2月24日(土)〜
掲載誌はまんがタイムきららキャラット
ttp://www.dokidokivisual.com/
コミックスは現在2巻まで発売中
- 282 :XCTCqXwn:2008/08/26(火) 18:34:15 ID:2/cpGFNl
- ノンストップ妄想、少しでもスレが活性化してくれれば…
あとアニメ&単行本派なんで最近のはよくわからんです、四巻はやく…
山吹高校を卒業して数年が経った。
ひだまり荘での思い出は、今でも私の中で色濃く残っている。
お母さんのように、しかし時折見せる年相応な行動が愛らしかったヒロさん。
努力家で、自らの道をしっかりと見据えて、今もその道を歩いている沙英さん。
そして・・・…いつも私を元気づけてくれた、太陽の様な少女、みやちゃん…いや、宮子さん。
私は……山吹高校での経験を、何も生かせないまま、実家近くにある小さな会社の事務職に就いている。
時折、昔を思い出し、絵を描くことはするが、昔のような情熱は、今はもう、ない。
ペンや筆を握っていた両手は、今ではキーボードを叩いている。
「ふぅ……んーっ……!」
息をつき、大きく伸びをする。
今日もまた、いつものように残業だ。時計の針は、すでに2時を指している。
「……今日はこれくらいでいいかな」
大体の処理は終わった。あとは明日、まとめればこの仕事もひと段落といったところだろう。
後片付けを済まし、会社を後にした。
暗くなった通勤路を歩きながら、ハンドバックから携帯を取り出し、メールを確認する。
三件のメールと、一件の着信があった。
まずメールを開く。
- 283 :XCTCqXwn:2008/08/26(火) 18:35:10 ID:2/cpGFNl
- 一通目は、沙英さんからだった。
『ひさしぶりー、元気?
私は相変わらず、部屋にこもって原稿と格闘してます。
またひだまり荘メンバーで集まろうよ、空いてる日があったら連絡してね♪
それじゃ、お仕事がんばって〜』
沙英さん、頑張ってるんだなぁ……。
近所の本屋で、沙英のペンネームの本が、ポップ付きで並んでいたのを思い出す。
二通目のメールは、ヒロさんからだった。
『ゆのさん、お久しぶり〜☆
沙英からもメール来てると思うけど、私からも一応伝えておきます。
ひだまり荘メンバーでまた集まりたいので、都合のいい日があったら教えてください。
できれば、連絡は私に先に頂戴ね?沙英ったら、締切前で機嫌悪いの^^;
それじゃ、連絡お待ちしてます♪』
ヒロさんは、沙英さんと一緒に暮らしている。
あの二人は、結局卒業しても、あのままの関係を保ち、今もそれが続いているのだ。
とてもうらやましく思える。私は……私たちは……。
三通目のメールは、宮子さんからだった。
『お久しぶりです、お元気ですか?
沙英さんとヒロさんからも聞いていると思いますが、またいつものメンバーで集まりたいと思います。
都合のいい日があれば、ヒロさんにご連絡ください。
では、会えることを楽しみにしています』
- 284 :XCTCqXwn:2008/08/26(火) 18:36:13 ID:2/cpGFNl
- ……事務的な口調、昔の宮子さんからは、考えられない。
だが、そうなってしまったのだ。私も、彼女も、すでに道を違えてしまった。
昔のように、また、二人で過ごせたら、どれだけ幸せだろう。
『ゆの殿、視力検査致しましょう!』『ゆのっちもだいぶ泳げるようになったねー』
『ゆのっち、ずーっと一緒にいようね……?』『ゆのっち、だいすき!』
目を閉じると、宮子さんとの、みやちゃんとの思い出が……津波のように押し寄せ、そしてひいていく。
閉じた目からゆっくりと水滴が落ちる。
私のせいだ、私のせいで、私たちはこうなって……。
誰もいない深夜の道路で、孤独が突き刺さる。
いけない、まだ、着信が一件残っている。それを確認して、早く家に帰らなければ。
携帯の画面に再び目を落とす。
着信を確認しようとメール画面を閉じようとしたとき、宮子さんからのメールにまだ続きがあることに気づいた。
「……?」
ゆっくりと画面をスクロールさせる。それに応じて、文章が画面に表示され始めた。
『……ここまで読んでくれて、ありがと。一回で気付かなかったなら、そのままこのメールは閉じちゃっていいから』
ここで、また空白がある。
震える手を押さえ、再び画面をスクロールさせる。
- 285 :XCTCqXwn:2008/08/26(火) 18:36:49 ID:2/cpGFNl
- 『……ゆのさん、ううん。ゆのっち、私ね、やっぱりゆのっちのこと、今でも好きだよ。
ゆのっちのお父さんとお母さんが、私たちのこと反対したのも、ゆのっちに絵を止めさせたのも、私はもう恨んでないけど、
でも、やっぱりこれだけは譲れない。私は、ゆのっちのことが、好き。大好き。
二人でいっぱい、いろんなことしたよね。私の部屋には、今でも昔もらった、ゆのっちの絵が飾ってあるよ。
ゆのっちが描いてくれた、昔の私。何も考えないで、純粋にいろんなことを楽しんでた頃の私の絵。
何回かみんなで集まったとき、言おうと思ったけど、私は昔より臆病になっちゃったから、こうしてメールしています。
もし、ゆのっちがまだ、あの頃と同じ気持ちなら、折り返し電話ください』
メールを読み終えたとき、私は自分でも驚くような速さで、宮子さん、いや、みやちゃんへ電話をかけた。
機械的なコール音がひどく煩わしい。早く、早く、早く……!
数度のコールの後、繋がった。何を言うかは、もうすでに決まっている。
『もしもし……ゆの……さん?』
「みやちゃん!私、まだ、みやちゃんのこと、好きだから!昔と何も変わってない!何も、なんにも、変わってないから・・・…!」
途中から涙声になってしまった。しかし、そんな瑣末事はどうでもいい。伝えなければ、みやちゃんに、今の私の気持ちを。
「みやちゃん、私、やっぱり無理だよ。絵、描きたいよ、みやちゃんと一緒にいたいよ、みやちゃんと……ずっと……!」
電話越しに息をのむ音が聞こえる。
一気にまくしたてたせいで、肺の中の空気が全て無くなったのではないかと思えるほどに息苦しい。
『ゆのっち、あのね』
携帯から聞こえてくるみやちゃんの声も震えている。一言一句聞き逃すまいと、私は強く耳に押し付けた。
『私、今、ゆのっちの家の近くの公園にいるの。そこに来て、また、一緒に……』
泣いている声が聞こえる。みやちゃんの泣いている声が。
私は走り出していた。息が切れる。体が重い。
だが、今はただ、前へ、前へ。
みやちゃんのところに、早く、早く、一緒に、また、昔のように……二人で……!
END
- 286 :XCTCqXwn:2008/08/26(火) 18:46:20 ID:2/cpGFNl
- 「ってな感じで締める小説にしようと思うんだけど、どうかな?」
「いや、悪くはないんですけど、沙英さん……」
宮子が呆れ顔で沙英を見つめる。
「まぁ、いいんじゃないかしら。でも……沙英……」
ヒロの憐れむような蔑むような視線が沙英に突き刺さる。
「嫌いじゃないですけど、沙英さん……」
まるで捨てられた子犬のような表情で、うつむくゆの。
「だ、だから、名前借りたって、最初に言ったじゃない?それにほら、諸々の設定は変えるし……」
「でもー、私すっごい不安になったんですけどー」
宮子がブーブーと口をとがらせる。
「……ごめんなさい」
しょんぼりと、沙英は言った。
「私と沙英は変わらず一緒っていうのが、またなんとも言えないわよねぇ……」
「みやちゃんとそんなことになったら、私もう生きていけないですぅ……」
ゆのはうっすらと涙を浮かべながら、ガクガクと震えている。
宮子はそんなゆのを抱きしめながら、沙英をにらみつけた。
「沙英さん、ゆのっち泣かせたなー!」
「うぅ……ごめんってばー……」
謝りながらも、ちらちらと時計を気にしている沙英。
「あのー……言いにくいんだけど、担当さんとの打ち合わせがあって、そのー……」
「分かったわ、裁判は延期しましよう。帰ってきたら覚悟するのよ、沙英?」
「はい……わかってます」
がっくりと肩を落としながら、沙英は打ち合わせ場所へと出かけて行った。
「ゆのっちー、大丈夫だからねー、私は一緒にいるからねー」
「うん……みやちゃん……」
宮子になでられながら、ゆのは子供のように鼻をすすっている。
「まったく沙英ったら……でも、内容と語りは上手よね。ゆのさんがこんな風になっちゃうくらいだし」
「それはほらー、私たちの名前使ったからですよー。ゆのっちがこんなになっちゃうなんて……まったくもう」
この後沙英は、帰ってきた矢先にゆのにぐるぐるパンチをされ、裁判を受け、
全員にケーキを奢るという有罪判決を言い渡され、閉廷後ベッドでヒロに泣かされることになるのだが、それは又、別なお話。
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