2008年08月24日

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金融で働くならやっぱりGS

◆最年少でマネージング・ディレクター就任した女性

小澤ふみ子さん(36)が長男(3)を産んだのは、2004年9月末。直後の10月初め、現在はブッシュ政権の財務長官で、当時は米ゴールドマン・サックス(GS)の会長兼CEOを務めていたヘンリー・ポールソンからの電話で、社員が到達しうる最高の職位であるパートナー就任を知らされた。その後、第2子である長女(1)を妊娠中には、部下の人数が倍になった。

「2度出産しても、キャリアは全く中断しませんでした」。現在、第3子を妊娠中だ。 留学経験はない。英語は、意識的に社内の外国人と食事をするよう心がけて身につけた。経営学修士(MBA)も、取得のための2年間がもったいなくて、ここまで持たずに来てしまった。

それでも入社から3年4カ月で、日本企業でいう中間管理職にあたるヴァイス・プレジデントになり、その1年後、日本法人では最年少の29歳でマネージング・ディレクターになった。

◆3人産むのも普通

若くしてパートナーになったり、経済的に報われたりしている同僚の姿が原動力になった。

「若くても女性でも学歴がどうでも、成果を上げれば報われる会社だということを、実例が示していました」

子どもができてからは、働く時間はずいぶん短くなっているが、小澤さん曰く、「評価は公正」だから、労働時間の長短は問題にならない。
「GSは日本一働きやすい会社。2人も3人も子どものいる女性が、たくさんいます」

◆360度評価

上司、同僚、部下、そして一緒に仕事をする他部署の社員。本人が彼らの中から選んだ十数人が評価者になる「360度評価」がGSのスタンダードだ。本人が選んだ評価者が適切かどうかは、上司がチェックし、細かく設定された点数と、何がよくて何が悪かったかを具体的に示したコメントで構成される。

◆仕事は楽しい

投資銀行部門でヴァイス・プレジデントとして働く水谷和香子さんは、フレンチネイルにラインストーンをあしらい、赤い靴底で人気のクリスチャン・ルブタンのハイヒールを履いて現れた。

99年の入社以来、企業買収や合併を実現させるアドバイザリー業務に従事している。 水谷さんがまとめた案件のなかには、ソフトバンクによる福岡ダイエー・ホークスの買収やスクウェアとエニックスの合併といった、著名なケースも少なくない。 水谷さんの退社時間は、早ければ午後7時。遅ければ午前2時。ときに徹夜を余儀なくされても、サバサバと「仕事は楽しい」といえるのは、やはり正当な評価を受けているからだろう。






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