ニューヨーク大学教授のアラン・ソーカルは社会科学の原著論文に「πもGも不変とは限らない」と記載
テーマ:ブログ桜井淳所長に拠れば、マンハッタン中心部に本拠を置く米大学37位でノーベル賞受賞者を十数名も出した私立のニューヨーク大学のアラン・ソーカル教授の専門は、理論物理学、それも素粒子論(theory of elementary particle)の基礎となる場の理論(field theory)ですが、人文・社会科学の研究者の論文やエッセー(社会科学の分野では査読なしの学術的論文や学術的著書のことを指す)に、虚数と無理数の区別もつかない記載や、相対論(theory of relativity)や量子力学(quantum mechanics)の解釈に間違った支離滅裂な記載が多くあったため、相対論と量子力学の形成期の理論物理学(theoretical physics)の歴史的文献を約100編も引用し、仮想的学問分野の重力量子論にかかわる哲学的問題をまとめた社会科学の原著論文を有名な査読付論文誌に投稿し、掲載された後、社会科学の研究者をからかうためのいたずら心で散りばめたトリックの数々の種明かしをしたため、バカにされたとして、社会科学の研究者の反発を買い、サイエンス・ウォーズ(金森修『サイエンス・ウォーズ』(東大出版会))に発展してしまいましたが、桜井所長は、2004年、東大院生室にあったその論文を注意深く熟読・吟味したところ、どこにトリックが仕掛けられているのか、まったくわからず、アラン・ソーカルによる解説を読み、初めて気付いたそうですが、長文の論文のごく一部のセンテンスの一箇所に、たとえば、「πもGも不変とは限らない」といった記載が有り、また、他の箇所の引用文献の著者のところにradonと記載したりと、全体の中での割合や社会科学の論文であることを考慮すれば、査読者だけでなく、誰でも気付かないような微妙な引っ掛けが巧妙に散りばめられているため、桜井所長は、アラン・ソーカルのやってはならない悪ふざけと受け止め、快く思えず、これまでに批判的意見を述べてきたそうですが、先の、「πもGも不変とは限らない」のπは3.14・・・であり、Gは重力定数、文献の著者名のradonは、放射能名ですが、長いまともな哲学的センテンスのごく一部にそのような表現をされても、不思議と、不自然に感じないもので、たとえ、そのようなトリックに社会科学論文誌の査読者や読者が気付かなくても、攻めることはできず、アラン・ソーカルは、悪ふざけの責任を問うべきです。