グルジアからの分離独立をめぐって戦闘が続いていた南オセチア自治州に、JNNのカメラが入りました。撤退期限から4日、現地では今もロシア軍が展開する姿が見られました。
北オセチア共和国から南オセチア自治州に向かうトランスカフカス街道。ロシアへ撤退するほこりまみれの戦車や装甲車の車列が25日も続いていました。
「もう家に帰るよ。勝ったからね」(ロシア軍兵士)
軍は厳しい情報管制を敷いたままで、日本や欧米のマスコミは、軍が許可したところだけが取材を許されています。グルジア軍の侵入を許した市の南部は、ほぼ壊滅的な打撃を受けたまま放置され、今なお住民の姿はまばらです。
「12時まで自動小銃の攻撃が続きました」(南オセチアの市民)
南オセチア側は、グルジア軍の攻撃で市民千数百人が犠牲になったと話しています。住民の虐殺があったというヘタゴロワの村を案内されました。8日未明に侵攻したグルジア軍は人々を誰何し、オセチア人と名乗った住民10人前後を銃で殺害したと村人は証言します。
「悲惨な状態でした。私たちは4日4晩、地下室から出られなかった。私たちはとてもおなかがすいていました」(南オセチアの市民)
銃弾を浴びたこの村の商店では、売る物もなく、援助物資の小麦粉と油を住民に配っていました。
「市場では何も売っていません。小麦などロシアからの援助物資をみんなに配っています」(商店で働く女性)
「私たちは、グルジアが自分たちの隣人、異教徒に対して、人間に対して、非人間的な行為を行うとは思いもしませんでした」(南オセチア自治州政府、ガグロイワ・マスコミ情報担当委員長)
2つの民族が憎しみをぶつけ合ったこの南オセチアで、人々の笑顔を最後まで見ることはできませんでした。(26日11:08)