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マンガ 無自覚の刷り込み 子供の意識に大きな影響 (2/3ページ)
このニュースのトピックス:いじめ問題
「日本に生まれれば、選択の余地なく日本語を学ぶ環境にあることと同じ構造です。アンパンマン、ドラえもんに触れないで成長する子供はいないように、マンガを読まざるを得ない環境にある。そして子供は6、7歳までにマンガを読む能力を身につけます」
マンガがいかに社会に浸透しているか。
吉村さんは「何も音がしない状態を『シーン』と言っていませんか。無音だから『シーン』という音もないはずです。私たちは無意識にマンガ表現を使っているのです」と指摘する。
また無自覚の「刷り込み」で、子供がマンガの登場人物をモデルに他人を評価しているのではと、吉村さんは危惧(きぐ)する。
「ドラえもんが象徴的です。私は『ドラえもん包囲網』と呼んでいるのですが、メガネをかけて少しドジな人は『のび太』というマンガのキャラクターをモデルに、子供は友達を評価している。メガネをかけているだけで、『お前はのび太だ』といじめられるのではと心配しています」
「マンガのヒーローは標準語を話す」「少女マンガでは白人のような人物が多い」など、マンガ独自の“文法”がある。「外国人から『何で日本のマンガは日本人でないような人がヒロインなのか』と嘲笑(ちょうしょう)されたこともある。キャラクターのあり方が、子供が他人を評価する際の先入観となっていると思います」と吉村さんは話す。