MSN Japanのニュースサイトへようこそ。ここはニュース記事全文ページです。

マンガ 無自覚の刷り込み 子供の意識に大きな影響 (2/3ページ)

2008.8.26 08:02
このニュースのトピックスいじめ問題
子供とマンガの影響を語る京都精華大マンガ学部の吉村和真准教授子供とマンガの影響を語る京都精華大マンガ学部の吉村和真准教授

 「日本に生まれれば、選択の余地なく日本語を学ぶ環境にあることと同じ構造です。アンパンマン、ドラえもんに触れないで成長する子供はいないように、マンガを読まざるを得ない環境にある。そして子供は6、7歳までにマンガを読む能力を身につけます」

 マンガがいかに社会に浸透しているか。

 吉村さんは「何も音がしない状態を『シーン』と言っていませんか。無音だから『シーン』という音もないはずです。私たちは無意識にマンガ表現を使っているのです」と指摘する。

 また無自覚の「刷り込み」で、子供がマンガの登場人物をモデルに他人を評価しているのではと、吉村さんは危惧(きぐ)する。

 「ドラえもんが象徴的です。私は『ドラえもん包囲網』と呼んでいるのですが、メガネをかけて少しドジな人は『のび太』というマンガのキャラクターをモデルに、子供は友達を評価している。メガネをかけているだけで、『お前はのび太だ』といじめられるのではと心配しています」

 「マンガのヒーローは標準語を話す」「少女マンガでは白人のような人物が多い」など、マンガ独自の“文法”がある。「外国人から『何で日本のマンガは日本人でないような人がヒロインなのか』と嘲笑(ちょうしょう)されたこともある。キャラクターのあり方が、子供が他人を評価する際の先入観となっていると思います」と吉村さんは話す。

このニュースの写真

子供とマンガの影響を語る京都精華大マンガ学部の吉村和真准教授
PR
PR

PR

イザ!SANSPO.COMZAKZAKFuji Sankei BusinessiSANKEI EXPRESS
Copyright 2008 The Sankei Shimbun & Sankei Digital
このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。