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【社会】

公認候補なのに「せこい」 愛知選挙区で政党カー使用料請求

2008年8月26日 朝刊

◆市民団体が批判

 昨夏の参院選愛知選挙区で公認候補者を擁立した民主、共産の両党が、候補者個人に選挙運動用の乗用車を貸し、レンタル料約20万−26万円をそれぞれ愛知県選管から受け取っていたことが、26日付で公開の政治資金収支報告書で分かった。

 党から車を借りていたのは、民主党の大塚耕平参院議員と、落選した共産党の八田ひろ子氏。選挙費用を公費で負担する選挙公営制度を利用していた。県選管によると、通常はレンタカー業者から借りる候補者がほとんどという。

 大塚氏は選挙期間中の17日間、自らが支部長を務める党県参院選挙区第3総支部から車を借りた。レンタル料は公費負担の上限額となる1日1万5300円(計26万100円)。車は総支部が前年12月に新車で購入し、日常の政治活動で使っていたという。

 大塚氏の事務所は「政党の活動と個人の選挙活動は別。総支部の車でも個人の活動に勝手に使えないと考え、正式な賃借契約を結んだ」と説明する。

 八田氏は自らが副委員長を務める共産党県委員会の車を1日1万2000円でレンタル。計20万4000円が公費から同委員会に支払われた。同委員会の柏木啓韶(あきひろ)書記長は「何日も走れば車も消耗する。最小限の費用で安く貸している」と話した。

 県選管によると、昨春の県議選でも立候補者157人のうち7人(共産4人、民主2人、自民1人)が所属政党から車を借りて公費で支払いを受けていた。県選管は「制度上も法的にも問題はなく、請求があれば支払っている」と話す。党が無償貸与した場合でも「候補者への寄付となるだけで問題はない」という。

 ■全国市民オンブズマン連絡会議事務局長の新海聡弁護士の話

 「せこい」のひと言に尽きる。選挙公営の目的は貧富の差の解消。政党の公認候補者が党の車を使うのに、なぜ公費が必要なのか。取れるものは取るという発想で、一般感覚とずれている。

 

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