西日本で月平均気温が戦後3番目の高さを記録するなど猛暑となった7月、エアコンからとみられる発煙・発火事故が、近畿地方を中心に全国で30件起きたことがわかった。暑さはまだ続くとみられ、経済産業省は注意を呼びかけている。
経産省所管の独立行政法人・製品評価技術基盤機構の調べでは、速報でエアコンが原因と分類された発煙・発火事故は、7月は17都府県で30件起き、2人が軽いけがをした。大阪が6件で最も多く、兵庫が4件、愛知と愛媛が3件で続いた。地方別では近畿の13件が突出し、東海が5件、関東が4件で続いた。事故原因はほとんどが調査中で、数は今後増減する可能性がある。
原因らしきものがわかった中では、16日の兵庫の発煙事故は、室内機のファンモーターの電源部にエアコン洗浄液などの電気を通しやすい物質が付き、放電現象が起きたとみられる。5日の広島、25日の大阪の事故では、電源コードを途中でねじってつないだ部分から火花が出るなどして発煙・発火に至った疑いがある。
エアコンは長時間の連続運転をしたり、室外機を風雨にさらされる屋外に置いたりするため、家電の中でとりわけ事故が多い。経産省は、冷えが悪かったり焦げ臭いにおいがしたりするなど異常があれば、使うのをすぐにやめて点検を受けるよう呼びかけている。
気象庁によると、今年は梅雨前線の活動が平年に比べて弱く、7月は東日本より西の地方は太平洋高気圧に覆われ、特に西日本は晴れて暑い日が多かった。この先1カ月も全国的に暑い日が多くなるという。(茂木克信)