心臓移植手術に備え、ドイツに渡っていた近江八幡市の福本穂香(ほのか)ちゃん(一歳十一カ月)が二十五日、七カ月ぶりに帰国し、同市で両親らが会見した。現地では心臓移植は行われず、血液の逆流を防ぐための手術を受け成功した。父の祐司さん(29)は「まだまだ闘いは続きます。ご支援とご理解を」と何度も頭を下げた。
現地で穂香ちゃんは緊急性が低い移植登録者と認定された。このため自分の心臓でより長く生きられるよう、二月に左心房と左心室をつなぐ弁の回りを縫い縮める僧帽弁形成手術を受けた。
心臓移植手術が進むドイツでも臓器提供者は少なく、医師の助言で今回の手術を選択した。移植のめどが立たず家族で帰国した。祐司さんは「移植を待つべきか夫婦で悩んだが、娘のためにできる最善のことを考えて決断した」と話した。
体重は術後、六千三百グラムまで減った時期もあったが、現在は八千百グラムに。この日は母の晃子さん(28)に抱かれて姿を見せた。今後は同市内の病院に入院して経過をみる。
穂香ちゃんは生後三カ月で心筋の収縮力が弱くなり心臓が拡張する「拡張型心筋症」と診断された。心臓移植が必要で、昨年十一月から支援団体が募金活動を展開。手術や治療、渡航に必要な八千八百万円を上回る一億一千万円が寄せられている。
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