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NIKKEI NET

社説2 日中韓首脳会談への弾みに(8/26)

 中国の胡錦濤国家主席が韓国を訪問し、李明博大統領との会談で「戦略的協力パートナーシップ関係」を一段と強化することで合意した。東アジアの平和と安定につながる中韓の関係発展を歓迎したい。

 胡主席の訪韓は約3年ぶり2回目で、李大統領との首脳会談は3回目だ。今回は中韓が1992年8月に国交樹立してから16周年を記念する意味合いもあった。

 折から北京五輪が閉幕した翌日の首脳会談である。会談後の記者会見では李大統領が「全世界に感動を与えた」と北京五輪の成功を祝福し、胡主席も五輪での韓国選手の活躍をたたえた。五輪効果は両首脳の会談にも弾みをつけたようだ。

 共同声明では両国間の貿易額2000億ドルを2010年に達成する目標を立てた。中韓の自由貿易協定(FTA)も積極的に検討するという。韓国にとって中国は最大の貿易相手国で、関係緊密化は不可欠だろう。

 北朝鮮の核問題では、6カ国協議合意に基づく核施設の無能力化と核開発計画の検証を早期履行し、非核化実現へ努力することで一致した。

 ただ北朝鮮は最近、検証問題を巡って「不当な要求」と米国を批判し始めた。米政府が北朝鮮のテロ支援国家指定の解除を延期したことも「合意違反」と反発し、いらだちを強めている。早期の検証実現へ国際社会が圧力を強める時である。

 中国はこれまで北京五輪の成功を優先し、北朝鮮を刺激する行動は慎んできた。韓国も李政権発足後は南北関係が冷え込んだままだ。今こそ関係国の緊密な協力が求められる。米国との連携も重要だが、地域の責任を担う主体は日中韓である。

 日中韓は9月に日本で首脳会談を予定している。東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議のような国際会議とは切り離した定期協議の枠組みを作るのが狙いだ。その初会合なのに、韓国は日韓の竹島(韓国名は独島)の領有権問題を理由に会談に出席するかどうか、依然として態度を明確にしていない。

 北朝鮮の核問題に加え、環境対策や経済協力など課題が山積する。中韓の関係発展を日中韓の連携へと弾みをつけるためにも、韓国は参加の意思を早く表明すべきである。

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