倒産・動向記事
2008/08/25(月) |
タウンハウス分譲大手 旭ホームズ(ジャスダック上場)の親会社 セボン株式会社など2社 民事再生法の適用を申請 負債785億1102万円 |
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「東京」 セボン(株)(資本金10億3000万円、東京都新宿区西新宿1-23-7、代表山ア喜久男氏、従業員167名)と(株)バニラ(資本金1億円、東京都調布市小島町2-45-2、代表内村隆志氏、従業員11名)は、8月25日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日、保全命令を受けた。
申請代理人は西村國彦弁護士(東京都千代田区内幸町1-1-7、電話03-5511-4400)ほか6名。
セボン(株)は、現代表
の父親が1974年(昭和49年)11月に飲食店の経営を目的に設立した。現代表に交代して以降、84年に不動産分譲会社に業態転換し、90年代半ばに自社マンションのブランドとして「セボン」を商標登録して、タウンハウスの分譲を開始、2000年1月に現商号となった。ゴジラを使ったテレビコマーシャルを放映するなど積極的な営業姿勢や、マスコミからも高い評価を受けた巧みな商品設計もあり、2006年5月期には年売上高約722億1800万円を計上していた。2006年9月にはジャスダック上場の旭ホームズ(株)の株式89.85パーセントを取得して連結子会社化し、注文住宅にも進出。地方での展開にも注力し、2007年5月期には年売上高約863億2500万円を計上していた。
しかし、サブプライムローン問題に端を発した信用収縮により金融機関の融資姿勢が硬化、不動産取引が停滞する中、改正建築基準法の影響により着工工数が減少、さらには建築コストの高騰により契約率が低下していた。こうしたなか、都市部を中心に事業展開を図ったものの、急速な信用収縮の影響により、物件売却決済が間際に延期ないし不可能となる事態に見まわれ、さらには子会社である(株)バニラへの資金支援が急速に膨らむなど急速に資金繰りが悪化、このため大型案件の早期売却や経費削減、(株)バニラの資金的な独立への支援などに取り組んだものの、8月末までに必要な資金を確保する目処が立たず、今回の措置となった。
(株)バニラは、2005年(平成17年)6月に設立。札幌から愛知県小牧市まで各地において計20物件のレジャーホテルを運営し、2008年3月期には年収入高約30億2900万円をあげていた。
負債は、2008年7月末時点で、セボン(株)が約621億4143万円、(株)バニラが約163億6959万円で、2社合計で約785億1102万円。
なお、セボン(株)の負債規模はニイウス(株)(負債732億円、東京都、4月、民事再生法)に次いで今年6番目、不動産業者では、(株)ゼファー(負債949億4800万円、東京都、7月、民事再生法)に次いで今年5番目の倒産となった。